原題 | ME BEFORE YOU |
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制作年・国 | 2016年 アメリカ |
上映時間 | 1時間50分 |
原作 | 原作/脚本:ジョジョ・モイーズ |
監督 | シーア・シェアイック |
出演 | エミリア・クラーク、サム・クラフリン、ジャネット・マクティア、チャールズ・ダンス、ブレンダン・コイル |
公開日、上映劇場 | 2016年10月1日(土)~新宿バルト9、梅田ブルク7、他全国ロードショー! |
大きな愛をありがとう
私の可能性を見つけてくれてありがとう
「たった一度きりの人生、フルに活用すべきだ」と限りある命の彼からの応援メッセージが女性を輝かせる、そんな新しい愛のカタチを教えてくれるラブストーリーだ。まず、カラフルなファッション大好きないつも元気なルーを演じたエミリア・クラークの屈託のない明るい笑顔に惹き込まれる。そして、颯爽と生きていた頃と寝たきりのウィルを演じたサム・クラフリンの、自分らしく生きる重要性を教えてくれた精悍さに魅了される。新たなイギリス出身のイケメンに大注目。また、ウェールズ地方の最西端にあたる港湾都市ペンブローク(国立公園の美しい海岸線で有名)を中心に、モーリシャス諸島やスイス、パリと、ラブロマンスを加速させる舞台も魅力的だ。
古城の街で暮らすルイーザ(通称“ルー”)(エミリア・クラーク)は、ケーキ屋さんで働く26歳の独身女性。誰にでも優しく気配りのできるルーが淹れる紅茶は人々を癒し、彼女の収入は父親が失業中の家族にとっても頼りの綱だった。ところが不景気のあおりを受けてルーも失業してしまう。そこで紹介されたのが、古城の持ち主でもあるトレイナー家でのお世話係だった。ところが、何人ものお世話係が次々と辞めてしまうという気難しい相手は、当家のひとり息子のウィル(サム・クラフリン)。まだ31歳なのに、2年前の交通事故で首から下が麻痺してしまって寝たきりの状態だったのだ。
ウィルは、ハンサムで裕福な家柄で、優秀な金融ディーラーとして活躍し、美しい婚約者もいて、誰もが羨む完璧な人生を謳歌していた。そんなウィルが今では人手を借りなければ生きられない状態に…。自尊心の強いウィルは、付添人に対しても厳しく、ルーに対してもそのダサいファッションから最初はバカにしていた。とても務まらないだろうと思っていたが、家計を助けるためにも辞める訳にはいかないルーだった。
面白いことに、ウィルがルーを見直すキッカケは映画だった。フランス映画『神々と男たち』(‘10)という実際に起きたアルジェリアでの修道士殺害事件を基にした暗くて重い硬派な作品。きっとルーは退屈して寝るだろうと思っていたら、意外にもその結末と修道士たちの心情に真剣に向き合っていたのだ。それからというもの、ウィルが提示する話題に対しルーは独特の反応を見せ、その個性的なところにウィルも興味を深めていった。
だが、ウィルはある覚悟を決めていた。半年後に安楽死する契約を結んでいたのだ。両親にとっても耐えられない悲しみだったが、ルーにとっても受け入れがたいことだった。せっかく心が通い合えたと思ったのに…そこで、ウィルの残りの人生を謳歌してもらおうと、ルーなりの計画を提示する。コンサートへ行ったり、南の島でリゾート気分を満喫したり…それらはルーにとっては初めての事ばかりで、興奮する日々となった。そんなルーを愛しみながら見つめるウィルだったが、決心は変わらず…。
ウィルのためにと一所懸命だったルーが、逆に大きなプレゼントをもらっていた。あらゆる可能性を秘めているにもかかわらず、自分の意志とは別に現状に満足してしまっているルーに、ウィルは大きな翼を与えてくれたのだ。ラスト、ウィルが教えてくれたパリの街角に立つルーの姿に、ウィルの愛の大きさを知ることになるだろう。
(河田 真喜子)
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