原題 | Pride and Prejudice and Zombies |
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制作年・国 | 2016年 アメリカ、イギリス |
上映時間 | 1時間48分 |
原作 | 「高慢と偏見とゾンビ」ジェイン・オースティン&セス・グレアム=スミス著(二見文庫 安原和見:訳) |
監督 | 脚本・監督:バー・スティアーズ |
出演 | リリー・ジェームズ/サム・ライリー/ジャック・ヒューストン/ベラ・ヒースコート/ダグラス・ブース/マット・スミス |
公開日、上映劇場 | 9月30日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他 全国ロードショー |
ハイスペック男子と結婚しなきゃ、家族に未来はない。
ゾンビをやっつけなきゃ、そもそも結婚どころじゃ…。
ちょっぴり凶暴な、極限下のラブロマンス。
世界中で愛されている恋愛文学の金字塔、英国の女性作家ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」を、アメリカ人作家セス・グレアム=スミスが“ゾンビに殺された人間もゾンビ化する”ジョージ・A・ロメロのゾンビとマッシュアップ(すでにあるものを混ぜ合わせるという意味)し、ベストセラーを記録した「高慢と偏見とゾンビ」の映画化。18世紀末から19世紀初頭のイギリスを舞台に、とりわけ女性にとって死活問題だった結婚をめぐる恋愛騒動を描いた、オースティン小説の持ち味はほぼそのまま。出版から200年を経てもなお、人々を魅了し続ける不朽の名作を、現代に復活させるキラーコンテンツにゾンビって!?…一体だれが想像できただろう。
18世紀末。イギリスの片田舎に暮らす中流階級のベネット家の両親が、謎のウィルスがアウトブレイクし人々がゾンビ化していくなか、年頃の娘たちの結婚問題に頭を悩ませている一方、カンフーや剣術に覚えのある美しくタフな5人姉妹は、ただ良縁をおとなしく待ってなどいられない。退屈な毎日のうさ晴らしで、ゾンビ退治に参戦する始末。そんな時、隣家に引っ越してきた資産家のビングリーと長女ジェインの恋に、ビングリーの親友で大富豪でもある騎士ダーシーが横やりを入れたと知った次女エリザベスは、いけすかない高慢なダーシーに敵意をむきだす。まさか最悪の出会いが、運命の恋の始まりだとは思いもしない2人の“試合(プロポーズ)”シーンは、「Mr.&Mrs.スミス」のブラピ&アンジー(離婚は避けられないのか?)ばりに白熱。
実は、ビングリーとともに対ゾンビ戦争を指揮するダーシーには、伝説のロック・ミュージシャンに扮した「コントロール」で脚光を浴び、「マレフィセント」などのハリウッド作でも活躍するサム・ライリー。融通が利かず、ヒロインの感情をさかなでする面倒くさい男気をチャーミングに演じた。軟な男では食い足りず、かといって人間の脳を食い散らかすゾンビが相手なら無敵でも、恋の駆け引きには大苦戦するヒロイン、エリザベスは「ダウントン・アビー」(TVシリーズ)や映画「シンデレラ」で人気スターの仲間入りを果たしたリリー・ジェイムズのはまり役。強さと脆さの紙一重を嫌味のない愛らしさで好演、男女問わず虜になること請け合いだ。
(映画ライター:柳 博子)
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/zombies/
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