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『われらが背きし者』

 
       

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作品データ
原題 OUR KIND OF TRAITOR 
制作年・国 2016年 イギリス=フランス 
上映時間 1時間47分
原作 ジョン・ル・カレ「われらが背きし者」(岩波書店刊)
監督 スザンナ・ホワイト(「パレーズ・エンド」)
出演 ユアン・マクレガー、ステラン・スカルスガルド、ダミアン・ルイス、ナオミ・ハリス
公開日、上映劇場 2016年10月21日(金)~TOHOシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(なんば、二条、西宮OS)他 全国ロードショー

 

決して相容れることのない男たちの刹那の絆。
壮大なスケールで描いたスパイ・エンタテイメント。

 

傑作映画「ナイロビの蜂」「裏切りのサーカス」の原作者で、スパイ・サスペンス小説の巨匠ジョン・ル・カレの同名原作「われらが背きし者」を、いまやイギリスを代表するスター俳優ユアン・マクレガー主演で映画化。スウェーデンの名優ステラン・スカルスガルド(「ターザン:REBORN」の主演アレクサンダーの実父)との初競演は、食うか食われるかのスリリングな演技バトルを呈する。


wareraga-500-1.jpgル・カレからアドバイスを受ける幸運に恵まれ脚本を完成させたホセイン・アミニは、「鳩の翼」やライアン・ゴズリング主演作「ドライヴ」で高い評価を得る実力の持ち主だけあって、ル・カレ作品の魅力を際立たせる人物描写だ。これをダイナミックかつ丹念なアプローチで描きあげるためにアンソニー・ドッド・マントル(「スラムドッグ$ミリオネア」でアカデミー賞撮影賞を受賞)を撮影監督に据えた女性監督スザンナ・ホワイトは、危険な逃亡劇に巻き込まれる主人公ペリーが、命懸けで自分自身を見つめなおすさまに、現代の夫婦像も落とし込んでいて、胆力のあるところをみせる。


wareraga-500-3.jpg夫婦関係を修復するためモロッコを訪れた大学教授のペリーだったが、別れを切り出されることを恐れてか、弁護士の妻ゲイルと向き合えずにいた。そんな有り様の彼をパーティーに連れ出したロシア人のディマは、あわやの事態を引き起こしたペリーを“信義を重んじる男”と言って破顔一笑する。粗野で威圧的だが、人心を惑わすような得たいの知れない魅力を持つディマ。こうして始まった出会いが、ペリーとゲイル夫婦に思いもかけない試練をもたらすのだ。


wareraga-500-5.jpg実は、ロシア・マフィアの古参であるディマは、世代交代した組織から切り捨てられる危機にあり、イギリスの政治家が絡むマネー・ロンダリングの“機密情報”と引き換えに、家族の身の安全を確保しようと画策していて、証拠データの入ったUSBを、テニスで対戦したペリーの人間性に賭け託す。だが、ペリーが接触したMI6のダミアンは、ディマの組織と通じていた元同僚への私怨から、単独で作戦を決行。罪のない家族たちを見殺しにはできないと、作戦に協力したペリーとゲイルの身を危険に晒してしまう。


wareraga-500-4.jpg世界5か国を舞台に、友情と裏切り、復讐、愛と信頼を懸けた人間模様がサスペンスフルに拮抗する。決死の覚悟で、巨大組織から家族を守ろうとするディマ。闇社会に生きる男の矜持が、平凡な大学教授のペリーの心に人生で大切なものが何であるかを刻みつける。ここに、この映画の本分がある。思えば、ディマはペリーに真の男となる勇気を示したのだ。

(映画ライター:柳 博子)

公式サイト⇒ http://wareragasomukishimono-movie.jp/

(C)STUDIOCANAL S.A. 2015

 

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