原題 | COLLIDE |
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制作年・国 | 2016年 イギリス・ドイツ |
上映時間 | 1時間39分 |
原作 | 原案:F.スコット・フレイザー |
監督 | 監督:エラン・クリーヴィー 製作:ジョエル・シルバー 脚本:F.スコット・フレイザー、エラン・クリーヴィー |
出演 | ニコラス・ホルト、フェリシティ・ジョーンズ、マーワン・ケンザリ、ベン・キングズレー、アンソニー・ホプキンス |
公開日、上映劇場 | 2016年6月10日(金)より、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TOHOシネマズ 新宿、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)ほか全国ロードショー |
どこまで進化するのか、カーアクション!?
愛のため爆走するニコラス君の男らしさに惚れる、痛快ラブストーリー!
冒頭、ドイツの速度無制限の高速道路・アウトバーンを暴走する高級車のカーチェイスは、近年増々進化するカーアクションをさらに凌駕するように、何十台も巻き込む大クラッシュを引き起こす。横転した車の中から、「こんな無茶なことを愛のためにしたとロマンチックに思ってくれる人がいるだろうか?」という声が聞こえてくる。「誰が思うか!?」と思わずツッコミを入れてしまったが、最後は「よくやった!」と涙ながらに称賛するほど、主人公の無謀な行動を納得させる説得力が、この映画にはある。
ヒュー・グラントと共演した『アバウト・ア・ボーイ』('02)の子役時代から大活躍してきたニコラス・ホルトは、昨年、砂漠を爆走する『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で丸坊主に白塗りのウォーターボーイズを鮮烈に演じて、一気に女性ファンの心を掴んだ。それ以前の、人間の女の子に恋するゾンビを演じた『ウォーム・ボディーズ』('03)で見せた健気さにもすっかり魅了されてしまった。そんなニコラス君が逞しく成長した“バート・レイノルズ似!?” の男らしさが発揮される『アウトバーン』こそ、ファンならずとも必見の映画だろう。
アメリカで天才的な自動車泥棒として敏腕をふるっていたケイシー(ニコラス・ホルト)は、新天地を求めてやって来たドイツでもその腕を買われ闇の仕事を得ていた。だが、同じアメリカ人のジュリエット(フェリシティ・ジョーンズ)に恋をし、まっとうな生き方を望む彼女のためにヤバい仕事から足を洗う。だが、重病に侵されたジュリエットの治療費を稼ごうとデカい仕事を引き受けたことから、またもや地獄のデス・ロードが始まる。敵対するトルコ系マフィアのボス・ケイシー(ベン・キングズレー)とドイツの闇の帝王・ハーゲン(アンソニー・ホプキンス)との狭間にあって、双方のマフィアや警察から追われながら、人質に取られたジュリエットを救い出すため、旧市街地の路地裏や速度無制限のアウトバーンに至るまで、次々と高級車を乗り継いで爆走する。
ケイシーを改心させ生きる支えとなるジュリエットを演じたのは、『博士と彼女のセオリー』で難病に侵されていく夫を支えた妻を演じてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ。常に美女たちをはべらせ、薬物でフラフラしながら大好きなアメリカ映画を語るヤバいボスを喜々として演じたベン・キングズレー。あの堅物イメージを打ち破る快演だ。また、一見紳士風でゴージャスな雰囲気だが、冷酷非情な大ボスを演じたアンソニー・ホプキンスといい、ニコラス君の成長ぶりもさることながら、其々のキャラクターの強烈な個性が際立つ面白さがある。
また、ジャガー、ベンツ、ポルシェ、ボルボ、シトロエン、フォルクス・ワーゲン、アストン・マーチなど、ヨーロッパの高級車を次々とクラッシュさせ、最後に粋なからくりを見せる痛快さは、超ド級もの!
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://autobahn.asmik-ace.co.jp/
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