原題 | Tour de Force |
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制作年・国 | 2014年 ドイツ |
上映時間 | 1時間35分 |
監督 | クリスティアン・チューベルト |
出演 | フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、ユリア・コーシッツ、ユルゲン・フォーゲル、ミリアム・シュタイン、フォルカー・ブルッフ、ヴィクトリア・マイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、ハンネローレ・エルスナー |
公開日、上映劇場 | 2016年5月21日(土)~ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ京都、6月11日(土)~シネ・リーブル神戸 他全国順次公開 |
~最高の仲間達とともに過ごした最期の旅~
ハンネスとキキは仲睦まじい夫婦。毎年、気の合う仲間たちと6人で自転車旅行に出るのが楽しみ。でも、15回目となる今年は特別。ハンネスにとって最後の旅となるから…。
重い病で、死と向き合わざるを得なくなった若者の人生の選択を、仲間達が戸惑いながらも受け入れ、共に過ごした6日間を描く。シリアスなテーマながら、ユーモアにあふれ、友情の深い絆に、観客も充実感を共有する。
ハンネスは、2年前、父と同じ筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し、余命3~5年と宣告されていた。寝たきりになって死を迎えることを受け入れられず、積極的安楽死の道を選択したハンネス。医師による自殺幇助が認められているベルギーへの旅に、キキと弟と親友らを誘い、最後の思い出をつくろうとする…。
何も知らない仲間たちは、いつもながらの馬鹿騒ぎを繰り返していたが、旅の途中に寄ったハンネスの実家で真実を知らされ、愕然とする。ハンネスの弟は、どうして病と闘わないのかと責める。いくら重い病でも、自ら死にに行くなんて、と仲間たちも困惑を隠せない。唯一、真実を打ち明けられていた妻のキキも、やりきれない苦しみから解放されることはない。「夫婦で苦しみを分かち合いたいのに」と思わず本音をぶつける。表しがたい苦しみと悲しみを抱えながらも、ハンネスの決心は揺るがなかった…。
映画を観終わって、力いっぱい生き抜くことの大切さを思わずにはいられない。ハンネスにとって、この旅は、死への旅路であると同時に、生の輝きを謳歌する最期の旅でもある。6人が輪になって座り、隣に座った人に秘密の課題をメモに書いて伝え、それが達成できたかどうかを競う“課題ゲーム”が旅を盛り上げる。坊主頭で独身のミヒャエル、最近すれ違いぎみのドミとマライケ夫婦と、個性豊かな仲間たちの姿も丁寧に描き、彼らの固い友情の絆が伝わる。
最後のときを共にした仲間たちが、砂浜に座って一緒に海を見つめる表情がいい。ラスト、ゆっくり後退し、俯瞰で遠ざかってゆくカメラの映像とともに流れる歌の「苦しいときこそ優しくなれ」という歌詞が忘れがたい。ハンネスにとって最後の“グッドライフ”(輝ける人生のひととき)をくれたのは、仲間たちであり、仲間たちにとっても、“グッドライフ”をくれたのはハンネスだった…。苦しくとも、かけがえのない旅を共にできた幸せの余韻が心を満たす。
(伊藤 久美子)
公式サイト⇒ http://goodlife-movie.com/
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