原題 | ABSOLUTELY ANYTHING |
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制作年・国 | 2015年 イギリス |
上映時間 | 1時間25分 |
監督 | 監督・脚本:テリー・ジョーンズ(「モンティ・パイソン」の一人) |
出演 | サイモン・ペッグ:「ミッション:インポッシブル」シリーズ、「宇宙人ポール」、ケイト・ベッキンセール:「アンダー・ワールド」シリーズ、ロビン・ウィリアムズ(声の出演):「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」、「モンティ・パイソン」のメンバー(声の出演) |
公開日、上映劇場 | 2016年4月9日(土)~梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、5月14日(土)~神戸国際松竹 ほか全国順次公開 |
~もし全能のパワーを使えるとしたら何に使う?
気を付けて! 使い方によっては地球が壊滅するかも?~
地球人よ、目先の欲に執着している場合ではない!はるか宇宙の彼方では地球人が優等種かどうか協議しているエイリアンたちがいて、地球壊滅を狙っているのだ。宇宙探査機に搭載された異星人へのメッセージが、宇宙の秩序を守る〈ダークネス・ブリンガー〉というところに届き、地球人について審査されることになった。無作為に選んだ1人に全能のパワーを与え、それを善行に使えば合格、不合格の場合は地球ごと破壊されるという。そこで選ばれたのが、よりによって超テキトー中年男のニールだったから大変!地球の運命が掛かっていることも知らず、愛犬と共に自己チューばかりのパワー乱用!? 果たしてニールは地球を救えるのか?
イギリスのコメディ界のレジェンド、「モンティ・パイソン」のテリー・ジョーンズが監督・脚本を手掛け、かつてのメンバーもエイリアンの声を担当。みんなでおバカな地球人について議論し合う場面は爆笑もの。そのおバカな地球人ニールを演じたのは、ハリウッド映画でも大活躍の現在のコメディ界を牽引するサイモン・ペック。高田純次ばりにテキトー男を怪演。ニールが憧れるキャサリンを、クールな美しさが魅力のケイト・ベッキンセールが好演。そして、惜しくも2014年8月に帰らぬ人となったロビン・ウィリアムズが愛犬デニスの声を吠えるようにアテレコ。おバカな犬なのかどうかよく分からないが、少なくともニールより賢いことは確か!
【STORY】
教師をしているニール(サイモン・ペック)は、ある朝、願い事を言って右手を振ればすべて叶えられる全能のパワーを授かる。最初はそうとも知らず、ニールの放つ悪態通りにアクシデントが起きていた。よく吠える愛犬デニス(声:ロビン・ウィリアムズ)相手に愚痴をこぼしていたニールもそのパワーに気付くと、アクシデントで全滅したニールのクラスの生徒たちを生き返らせたり、気になる階下に住むキャサリン(ケイト・ベッキンセール)に自分を好きになるよう彼女の心を操ったりと、自分勝手な小事にばかりパワーを乱用していた。
ところが、国語の教師のくせに願い事の文言がいい加減で、死人を生き返らせようとゾンビだらけになったり、デニスを喋らせたことでキャサリンにゲイと誤解されたり、同僚のレイ(サンジーヴ・バスカー)の恋愛に力を貸そうとしてレイが危険な目に遭ったり、しまいには、キャサリンにストーカーしていたアメリカ男にパワーを悪用されたりと、とんでもないことばかり起きてしまう。こんなくだらない事ばかりにパワーを使うニールは、勿論失格。いよいよ地球壊滅への秒読みが始まる……が、その時、本当のミラクルが起きる!?
全能のパワーが欲しいと思うこともあるが、やはり平凡でいい。“ヒーロー”同士で戦う必要もないし、「アメリカ大統領」みたいに命を狙われることもない。愛犬デニスはその道理を理解しているのかどうか、一番賢明な手段をとるところがカッコイイ! 本当の意味で飼い主のための判断を下す。それにしても、サイモン・ペックの軽妙さは、『Mr.ビーン』のローワン・アトキンソンの“子供っぽいいたずら”とはひと味違う、大人になりきれない小市民的な笑いが特徴だろう。『宇宙人ポール』や『ワールズ・エンズ 酔っ払いが世界を救う!』のように、SFがらみのコメディアンの代表格の新作に、大いに笑って下さい。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://miracle-neil.jp/
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