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『あやしい彼女』

 
       

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作品データ
制作年・国 2016年 日本 
上映時間 2時間05分
原作 原作映画:「Miss Granny」(CJ E&M CORPORATION)
監督 水田伸生(『舞妓Haaaa!!!』『なくもんか』『謝罪の王様』)
出演 多部未華子、倍賞美津子、要 潤、北村匠海、金井克子、志賀廣太郎、小林聡美
公開日、上映劇場 2016年4月1日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、神戸国際松竹他、エイプリルフール全国ロードショー

 

~魔法が解けてしまっても、家族のために生きようとする親心~

 

とっても可愛い彼女は、突然口やかましく説教を垂れるはお尻を叩く、まさに“猟奇的な彼女”。まるでボクのおばあちゃんみたいに…そう、本当は73歳のおばあさんなのだ!?

2014年に公開されスマッシュヒットを放った韓国映画『怪しい彼女』の日本版『あやしい彼女』が、多部未華子主演でキュートさ倍増して完成。「20歳の頃に戻りたい!」という全女性の夢を叶えてくれると同時に、魔法が解けても家族を守ろうとする親ならではの愛情が涙を誘う。


ayakano-500-1.jpg《大阪アジアン映画祭2016》ではベトナム版『ベトナムの怪しい彼女』が上映されたが、韓国で生まれた大ヒットストーリーは中国でもリメイクされ大ヒット。今後、タイ、インドネシア、インド、そしてドイツでも製作される予定だとか。激動の時代を生きぬいてきた女の一生と家族愛を浮き彫りにする物語は、主人公の心情とマッチした往年のヒット歌謡曲と共に、コミカルでファンタジックな感動作として、国を問わず人々の心に温もりをもたらしてくれることだろう。


ayakano-500-4.jpgケチな上に毒舌で傍若無人、女手一つで育てた子供の自慢話ばかりすることから家族にも周囲にも疎まれていたおばあさんに、ある日突然二十歳の頃に戻るという奇跡が訪れる。だが、中身はおばあさんのままなので、可愛い顔して口調や物腰は年寄り臭いことばかり。そのギャップが堪らなく可愛い主人公を多部未華子が変顔もいとわず演じて、さらに「見上げてごらん夜の星を」「真赤な太陽」「悲しくてやりきれない」といった昭和の名曲を歌いあげる熱演ぶり。舞台でも神懸かったような存在感で成長著しい多部未華子が、73歳のおばあさん役の「倍賞美津子」になったつもりで二十歳の“あやしい彼女”を演じて、これまたはじける可愛らしさで魅了する。


ayakano-500-2.jpg日本版は息子ではなく娘を育て上げることになっているが、他のストーリーはほぼ韓国の原作映画と同じ。中身が人生経験豊富なおばあさんだからこそ、昭和の名曲も感情を込めて歌えるというもの。思うように生きられなかった苦労続きの人生だったが、魔法のお陰で青春をやり直せるチャンスがやってきた。だが、家族を守るためなら、そのチャンスも捨てられる。一生かけて守り慈しんできた、大切な家族のためなら……。母親の深い愛情に比べ、子供はその10分の1も親の想いに応えられていないのではと思う。改めて、親に感謝! 国が違えども、その泣かせどころは同じだった。

(河田 真喜子)