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『ザ・ウォーク』

 
       

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作品データ
原題 THE WALK 
制作年・国 2015年 アメリカ 
上映時間 2時間03分
原作 フィリップ・プティ「マン・オン・ワイヤー」
監督 監督・脚本:ロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・ヒューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』『フライト』)   共同脚本:クリストファー・ブラウン   撮影:ダリウス・ウォルスキー(『プロメテウス』『エクソダス:神と王』『オデッセイ』)
出演 ジョセフ・ゴードン=レヴィット(『(500)日のサマー』『50/50フィフティ・フィフティ』)、ベン・キングスレー(『ガンジー』『しあわせへのまわり道』)、シャルロット・ルボン(『マダム・マロニーと秘密のスパイス』『イヴ・サンローラン』)、ジェームス・バッジ・デール、クレマン・シボニー、セザール・ドンボイ、ベネディクト・サミュエル、ベン・シュワルツ、スティーヴ・ヴァレンタイン
公開日、上映劇場 2016年1月23日(土)~大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都 ほか全国ロードショー

 

~高所恐怖症の方は要注意!!!
スリル満点!足のすくむ地上528メートルの綱渡り体験~

 

1974年8月7日のニューヨーク、完成間近のワールドトレードセンタービル(通称ツインタワービル)の2つのビルの間を命綱なしで綱渡りをした男がいた。フランス人の大道芸人ワイヤー・ウォーカーのフィリップ・プティ。当初、美しい摩天楼輝く街を愛するニューヨークカーにとってツインタワービルは不評だったようだが、プティの前代未聞の偉業で一躍人気スポットとなる。プティは違法行為で逮捕されたもののすぐに釈放され、マスコミでも騒がれる有名人となった。そんなフィリップ・プティがサーカスに興味を持った子供の頃からツインタワービルを制覇した25歳までを、革新的映像作品のヒットメーカーとして名高いロバート・ゼメキス監督がスリルとロマンあふれる青春映画として活写している。


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ツインタワービルは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロで崩壊してしまったが、いまここに地上528メートルの世紀の空中ウォークというイベントの3D映像で甦る。高所恐怖症の筆者には絶対立てない屋上から地上を見下ろすシーンや、ツインビル間の42.67メールを1本のワイヤーで渡るシーンなど、足が震えて手に汗にぎる。だが、本作はそこに至るまでのフィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の人間性や師匠であるパパ・ルディ(ベン・キングスレー)との出会い、さらには彼を支えた恋人アニー(シャルロット・ルボン)とのロマンスやカメラマンのジャン=ルイ(クレマン・シボニー)との友情など、綱渡り曲芸師をアーティストとして昇華させた情熱をドラマチックに描いている。

 

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フィリップ・プティについては、2008年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した『マン・オン・ワイヤー』で初めて知った。1970年代、サーカスがそれまでのアクロバット中心の見世物からコンテンポラリー的な新しい感覚のサーカスに大きく変化した時代を生きた曲芸師である。独自のパフォーマンスで感動を与えることが彼の大きな喜びとなり、新しい時代の象徴でもあったツインタワービルに挑戦したのだろう。本作の撮影では、プティを演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットに付きっきりで指導したという。3D映像だからこそ体感できるスリル、プティが創造したアーティスティックな世界観、目標を達成しよとする緻密な計画と執念、愛情と信頼など、この映画から感じ取れることは思いのほか多いように思う。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.thewalk-movie.jp/

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