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『クリムゾン・ピーク』

 
       

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作品データ
原題 CRIMSON PEAK 
制作年・国 2015年 アメリカ 
上映時間 1時間59分 R15+
監督 監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ(『ヘルボーイ』『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』) 共同脚本:マシュー・ロビンス
出演 ミア・ワシコウスカ(『アリス・イン・ワンダーランド』『永遠の僕たち』『奇跡の2000マイル』)、ジェシカ・チャステイン(『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』『ゼロ・ダーク・サーティ』『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』)、トム・ヒドルストン(『マイティ・ソー』『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』)、チャーリー・ハナム(『パシフィック・リム』)、ジム・ビーバー
公開日、上映劇場 2016年1月8日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、OSシネマズミント神戸 他全国ロードショー

 

閉ざされたふたつの愛が交錯するとき……

かつてない豪華さで恐怖をかきたてるゴシック・ロマンス・ホラーの決定版!!!

 

俳優、映像、美術、衣装と、全てが絢爛豪華!ダークファンタジー映画の巨匠、ギレルモ・デル・トロ監督が紡ぎ出す恐怖の奥底には、愛情深い悲しみが隠されている。今回それを解き明かすのは、実業家の令嬢を演じたミア・ワシコウスカに、謎めいたイギリス貴族の姉弟を演じたジェシカ・チャステインとトム・ヒドルストン。この3人が繰り広げる愛憎劇は、『オペラ座の怪人』のようなゴシックホラーを超越したラブストーリーとして、観る者の心を掴んで離さない。


crimson-500-2.jpg特に、トム・ヒドルストンの悲哀に満ちた表情の貴公子ぶりが素晴らしい。『マイティ・ソー』の悪役ロキ役を見た時、『嵐が丘』や『ドラキュラ伯爵』のようなダークロマンスの貴公子役を演じてほしい!と願ったら、本作で叶った。汚染された血しか手に入らない現代版ヴァンパイアを演じた『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』では、ミア・ワシコウスカと共演。その時は強烈な個性を放つティルダ・スウィントンの恋人役だったが、今回はジェシカ・チャステインという、これまた善か悪か分からない情念を秘めた姉に従順な弟を演じている。この二人の謎めいた関係性が怖い!
 


【STORY】
20世紀初頭、世界の富が集まるニューヨーク州。実業家の娘イーディス(ミア・ワシコウスカ)は、幼い頃に母親を亡くして以来幽霊が見えるようになり、時折母親の幽霊から「クリムゾン・ピークに気を付けなさい」という啓示を受ける。そんな霊視能力があるばかりに社交界そっちのけにホラー小説を書いては異端視され、父親(ジム・ビーバー)を心配させていた。それでも幼なじみの医師・アラン(チャーリー・ハナム)だけは、聡明なイーディスに魅力を感じていた。


crimson-500-1.jpgある日、イーディスの父親のもとに事業投資を求めてトーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)というイギリスの貴族が現れる。輝くような知性と品性を兼ね備えた貴公子にたちまち心奪われるイーディス。(当時のアメリカのブルジョア界では、ステータスを求めて娘をイギリス貴族と結婚させるケースが多かった。一方イギリス貴族の方も家屋敷を維持管理するのにアメリカ資本は魅力的だったのだ。)パーティではトーマスの姉のルシール(ジェシカ・チャステイン)が真っ赤なドレスを着て見事なピアノ演奏を披露していた。トーマスは嫌がるイーディスを誘い、華麗にワルツを踊ってはイーディスをはじめその場にいた人々を魅了する。だが、イーディスの父親だけは謎めいた姉弟を不審に思い、密かに調査させていた。


crimson-500-3.jpgパーティの翌日、父親が不審な死を遂げる。失意のイーディスは惹かれるままトーマスと結婚し、イギリスの片田舎にあるシャープ家の屋敷で新たな生活を始める。そこは由緒ある貴族の豪奢な館だが、辺鄙な丘の上に建つ館は崩壊寸前の幽霊屋敷のようで、さらに土地は赤い粘土質が滲み出て真っ赤に染まり、「クリムゾン・ピーク(深紅の山頂)」と呼ばれていた……。



crimson-500-4.jpg特に、それぞれのキャラを際立たせる衣裳にご注目。軽やかに陽光に下を飛び交う蝶がイーディスなら、暗くて古い屋敷の壁に貼り着く蛾はルシールという風に、昆虫をイメージした風合いの生地やデザインは、「美しい恐怖」にこだわるデル・トロ監督ならではのセンス。

どんな役でも自然体でこなす変幻自在なミア・ワシコウスカは聡明な美しさを湛え、ただならぬ存在感のジェシカ・チャステインは『レベッカ』(‘40)のダンヴァ―ス夫人のようにイーディスを恐怖に陥れる。そして、トム・ヒドルストンの品格あるフロッグコート姿は悩殺ビームもので、またしても女性の心を熱くするイギリス人イケメン俳優に魅了されることだろう。他にも、ゴシック調の建築やインテリアなどの美術もおどろおどろしい雰囲気を醸し出し、貴族社会の盛衰の歴史を感じさせる。

近年稀にみる超豪華なラブストーリーをご堪能下さい。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://crimsonpeak.jp/

(C) Universal Pictures.

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