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『犬に名前をつける日』

 
       

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作品データ
制作年・国 2015年 日本 
上映時間 1時間47分
監督 監督・脚本・プロデューサー:山田あかね
出演 小林聡美、上川隆也、青山美郷、今村沙緒里、渋谷昶子
公開日、上映劇場 2015年11月21日(土)~シネ・リーブル梅田、11月28日(土)~MOVIX堺、12月5日(土)~京都シネマ、12月19日(土)~シネ・リーブル神戸 ほか全国順次公開

 

共に過ごした分だけ、あなたにとっては掛け替えのない存在になるはず
犬や猫の幸せは飼い主の幸せにもつながるはず

 

犬に名前をつける日、それは飼い主ができたことを意味する。飼い主のいない犬と猫は、「動物愛護センター」で一定期間保護され、飼い主や引き取り手が現れなければ殺処分される運命にある。ペットショップで見かけた可愛い仔犬に魅せられて、気軽に買って帰ってもろくに面倒もみず、そのうち飽きて捨ててしまう。そんな勝手な輩のせいで、捨て犬、捨て猫が後を絶たないのだ。この映画に登場する犬や猫の保護活動に懸命に尽力されているボランティアの方々は、皆さん実在の人々である。主人公を演じる小林聡美が山田あかね監督の分身となって、監督が4年にわたり撮り貯めたドキュメンタリー映像を辿るような展開で、犬猫の現状を見せてくれるドキュメンタリードラマ。


inunamae-500-3.jpg保護センターの檻の中では、これからの運命を知ってか知らずか、ブルブル震える犬や放心状態の犬、吠え続ける犬など様々。そんな犬たちを見兼ねて、広島に本拠地を置く「犬猫みなしご救援隊」は、殺処分ゼロを目指して、シェルターを作って1000頭以上の犬や猫を保護している。遠く東北へも出掛けて、東日本大震災後の犬や猫の保護活動もしている。また、千葉県を中心に活動している「ちばわん」のボランティアの皆さんも、責任ある里親探しに取り組んだり、無償で不妊去勢手術を行ったりしている。動物たちのために真剣に真心こめて取り組んでおられる様子を拝見して、本当に頭が下がる。
 

inunamae-500-1.jpgこの映画に登場する保護活動が注目され、保護された犬猫をペットショップに置いて、飼い主をさがす運動も始まっている。主人公の夫役の上川隆也も、保護犬の里親になっているひとりで、犬と一緒に映画に登場している。お散歩のついでにお芝居をしているような自然体の上川隆也と小林聡美の元夫婦の会話がいい。別れても、お互いの仕事のことや心身の健康を気遣う優しい気持ちに和んでくる。


inunamae-500-2.jpg犬や猫は長年人間のそばで生活してきた。家畜と違って、人間の心の拠り所となり、家族のような存在となってきた動物である。他人から見ればただの犬や猫かもしれないが、飼い主にとっては共に過ごし愛情をかけたものだけに、唯一無二の可愛い存在なのだ。血統や種類に関係なく、人間に寄り沿って生きる動物たちを、責任を持って最後まで面倒みてあげてほしいものだ。最後にウルフルズの「泣けてくる」が流れると、犬や猫の厳しい現状を嘆くと同時に、一所懸命保護活動に尽力されている方々の優しさに感動して、本当に泣けてくる。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.inu-namae.com/

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