原題 | She’s Funny That Way |
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制作年・国 | 2014年 アメリカ |
上映時間 | 1時間33分 |
監督 | ピーター・ボグダノヴィッチ |
出演 | オーウェン・ウィルソン、イモージェン・プーツ、キャスリン・ハーン、ウィル・フォーテ、リス・エヴァンス、ジェニファー・アニストン他 |
公開日、上映劇場 | 2015年12月19日(土)~ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA、立川シネマシティ、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、2016年1月2日(土)~シネ・リーブル神戸ほか全国順次公開 |
~ユーモアとウィットにあふれた変調アメリカンドリーム~
監督名を隠されて観たら、ウディ・アレンの作品だと信じただろう。舞台はニューヨーク、ちょいとややこしくて可笑しい大人たちの恋模様、ウィットのある台詞回しや音楽の使い方…。ヒロインが自分の身に起こったことをインタビュアー相手に答えるという冒頭シーンからして、ウディ・アレン流だ。だが、監督は『ペーパー・ムーン』でも知られるピーター・ボグダノヴィッチである。ウディ・アレンみたい、などと言われると、彼は気を悪くするだろうか、それともこれは確信犯的作品なのか。
新進ハリウッド・スターのイジーには、何とも奇天烈なシンデレラ・ストーリーがあった。高級コールガールのお仕事をしていた頃、ちょいと変わったお客さんと出会い、彼から「この仕事をもうやらないなら、君に3万ドルプレゼントするよ」と言われたのである。もちろん、有難くその申し出を受け、もともと女優の道を考えていたイジーはブロードウェイ舞台劇のオーディションに出向く、そこで顔を合わせたのが、あのお客さん、実は演出家のアーノルドだった…。
それからが、もう、入り乱れての男女関係。おかしくって、おかしくって…。アーノルドが女の子を口説く決め台詞「リスにおやつのナッツをやる人がいる。しかし、たまにはナッツにリスちゃんをあげてもいいじゃないか」は、ほんとに笑っちゃうんだけど、これは、エルンスト・ルビッチ監督の作品『小間使』に出てくる台詞を流用しているという。他にも、オードリー・ヘプバーン、マリリン・モンロー、フレッド・アステアなど、ハリウッドの往年銀幕スターへの敬愛をこめた引用があちこちに。おまけに、スクリーンに登場したとたんに思わず笑いを引き寄せる、あの有名監督もカメオ出演しているので、お楽しみに!
イジーを演じたイモージェン・プーツの、親しみやすいカワイ子ぶりはなかなかに好感要素だし、キレっぷりが鋭角なセラピスト役のジェニファー・アニストンは刺激的だし、過剰なお色気目線で迫るリス・エヴァンスだけど、どこかコミカルだし…ってことで、オーウェン・ウィルソンも頑張ったで賞だけど、私的には、彼を取り巻く俳優たちのほうに目が行ってしまったドタバタ群像劇。笑いが欲しい時にはぜひこの作品を!
(宮田 彩未)
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