原題 | THE AGE OF ADALINE |
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制作年・国 | 2015年 アメリカ |
上映時間 | 1時間53分 |
監督 | リー・トランド・クリーガー(『セレステ∞ジェシー』) |
出演 | ブレイク・ライヴリー、ミキール・ハースマン、ハリソン・フォード、エレン・バースティン、キャシー・ベイカー 他 |
公開日、上映劇場 | 2015年10月17日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー |
~不老不死がもたらす孤独と、
アデラインが生きた100年の軌跡~
アデライン、107歳。若く美しい容姿からは想像もつかないが、29歳の時の事故で老化が止まってしまったのだ。アンチエイジングに血眼になっている女性にとっては羨ましい限りだが、現実には、愛する者を見送り、子供は自分より年老いていき、実験台にされないために身分を偽り、引越しを繰り返し、世間の目を欺きながら生きて行かなくてはならない。そんな孤独な人生を送っているアデラインが48年ぶりに恋に落ちる。美しいアデラインだからこそ成立する壮大なラブロマンスに陶酔できる逸品。
【STORY】
サンフランシスコの中央資料館で働くジェニー・ラーソン(ブレイク・ライヴリー)は、「スーザン・フライシャー」という名前の偽造パスポートを購入する。また逃げる時のために。古いマイクロフィルムの整理をしながら、かつてアデライン・ボウマンとして生きた過去を振り返るジェニー。そう、ジェニーは1908年生まれの100歳を超える女性なのだ。ゴールデンゲートブリッジ建設当時、橋梁設計士の男性と結婚し、一人娘をもうけるが、夫が建設現場で事故死してしまう。そして、29歳の時には自らも雪の山道で自動車事故に遭い、さらに低体温状態で落雷に遭い、老化が止まってしまう。
それ以降、年齢を重ねても歳をとらないアデラインは不審がられ、10年おきに名前を変え引越しては新たに生き直していた。誰とも親しくなれず、唯一の慰めの犬も次々と死んでしまい、秘密を共有できるのは一人娘のフレミング(エレン・バースティン)だけ。だがアデラインより年取ってしまい、今では80歳を超えて祖母と孫のような年齢差になってしまい、寂しいことに遠くの老人施設に行こうとしていた。そんな矢先、大晦日のパーティでエリス・ジョーンズ(ミキール・ハースマン)という男性と出会う。
ジェニー(=アデライン)に一目惚れしたエリスは、翌朝から彼女の職場に押しかけて無理やりデートに誘ったり、知的好奇心をくすぐるサプライズを用意したりする。いくら拒否してもジェニーにゾッコンのエリスは諦めない。次第に彼女の心を解きほぐしていったエリスは、ジェニーを両親の40周年の結婚記念パーティに誘う。そして、エリスの実家に着いたジェニーを、突然「アデライン!」と呼ぶ声がする。エリスの父親ウィリアム(ハリソン・フォード)だった……。
ハリソン・フォードの登場によって、ドラマが大きく動き始め、俄然面白くなってくる。47年前、孤独なアデラインが初めて愛した男性がウィリアムだったのだ。大きな秘密を打ち明けられず、プロポーズされる前に泣く泣く姿を消したアデライン。それ以降誰にも心を許さず、誰も愛さずに生きてきた。そんな彼女の前によりよってウィリアムとその息子のエリスが立ちはだかるとは――アデラインがエリスの愛を受け入れ、幸せに生きることを心から願う83歳になる娘のフレミングの願いが心を打つ。
アデラインを演じたブレイク・ライヴリーがエレガントに着こなす、100年に渡るファッションの変遷ぶりも見どころのひとつ。時代によって、衣装やメイクや車や生活スタイルなどが変化して、時代表現にこだわった作り手のセンスの良さが感じられる。若くて美しいブレイク・ライヴリーだからこそ100年変わらず生きても壮大なラブロマンス映画になるが、これが美しくない人の場合だったら、ホラー映画になっちゃうことだろう。年齢を重ねた分だけ変化していく老化は自然の摂理。老いを感じても、ぼやかず、無理せず、ありのままの自分を受け入れて、それなりの人生を楽しんで生きていきたいものだ、とつくづくそう思った。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://adaline100.jp/
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