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『海賊じいちゃんの贈りもの』

 
       

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作品データ
原題 WHAT WE DID ON OUR HOLIDAY  
制作年・国 2014年 イギリス 
上映時間 1時間35分
監督 ガイ・ジェンキン&アンディ・ハミルトン
出演 ロザムンド・パイク、デヴィッド・テナント、ビリー・コノリー、ベン・ミラー、エミリア・ジョーンズ、ボビー・スモールブリッジ、ハリエット・ターンブル他
公開日、上映劇場 2015年10月10日(土)~角川シネマ新宿、10月31日(土)~シネマート心斎橋、近日~京都シネマ、元町映画館ほか全国順次公開

 

~噴飯もののジョーク満載、でも、人生の大切なこともきちんと伝えてくれる~

 

家族というものはよくモメる。家族なのにどうしてモメるのか、というよりは、家族だからモメるのだ、と考えたほうがいい。この映画の家族もモメまくり。三人の子どもを持つ父親のダグと母親のアビーはただいま別居中で、離婚街道へまっしぐらだが、ダグの父であるゴーディの75歳のバースディを祝うため、一家そろってロンドンからスコットランドへ向かう。道中も着いてからも、口を開けばけんかになる両親をドライに見ながら、子どもたちは大好きなおじいちゃんとの再会を喜び、いっしょに浜辺へ。ところが、そこでとんでもない事態になり…。


kaizokuji-500-1.jpg非常に個性的な子どもたちの言動に爆笑!長女のロッティはおとなの会話をいちいち書きとるメモ魔だし、ヴァイキングに憧れる長男ミッキーの空想癖は尋常でないし、奇抜なサングラスを愛用する幼い末娘のジェスは石をペットのように可愛がり、妙な言葉を連発。親たちのいさかいに辟易しつつ、彼らは彼らの世界で生きている。癌を患って余命いくばくもないおじいちゃんに対して子どもたちが心を寄せるのは、ダグとアビー夫婦の現実を少し離れた距離で観ているからだ。


kaizokuji-500-3.jpg「いろんなこと(嫌なことや憎しみなど)も、いずれどうでもよくなる」というようなことを、おじいちゃんが子どもたちに言う場面が私はとても印象的だった。時に限りのある人の生じゃないか、死んでしまえば消えてしまうであろういろいろな感情に左右されて、我々は悲しんだり怒ったり嘆いたり誰かを傷つけている。悲しんだり怒ったり嘆いたり誰かを傷つけたりすることはそもそも人生の一面であるのだけれど、負の感情に捕われすぎないことだよ…そんなふうに言われているように感じたのだった。


kaizokuji-500-2.jpg浜辺で子どもたちが何をしたか。それについては映画を観る前には知らないほうがいいと思うのでここでは触れないが、ええ?!という驚きと、「やるねえ、子どもたち!」と応援したくなるような興奮の後に、しみじみと「このおじいちゃん、幸せだったかも」というピース(peace)な想いに包まれる。たかが家族、されど家族。火葬と水葬と散骨のトリプルお葬式なんて、めったにありませぬ。

(宮田 彩未)

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