原題 | Solo un padre |
---|---|
制作年・国 | 2008年 イタリア |
上映時間 | 1時間33分 |
原作 | ニック・アール |
監督 | ルカ・ルチーニ |
出演 | ルカ・アルジェンテーロ、ディアーヌ・フレーリ、ファビオ・トロイアーノ |
公開日、上映劇場 | *テアトル梅田での上映日⇒ 8/23(日)・8/26(水)・8/29(土)・9/1(火)・9/4(金) 連日10:00~ 《Viva!イタリアvol.2》2015年8月22日(土)~テアトル梅田、9月21日(月・祝)~京都みなみ会館、11月7日(土)(予定)~元町映画館 にて公開 |
~愛する娘がいるからこそ頑張れる。新米パパの成長物語~
先ず、ポスターの可愛い赤ちゃんの視線に惹かれた。優しそうなパパの腕に抱かれているが、「パパしっかりしてよ!」と言いたげだ。イタリアにこんな甘いマスクのイケメンがいたのか?と驚くほど、パパを演じたルカ・アルジェンテーロに魅了される。主人公は、優しく誠実で信頼されている医師だが、頼り切っていた妻に先立たれ、乳飲み子を抱えた我が身の不甲斐なさとあるトラウマを抱えて悩んでいた。自分を見つめなおし、可愛い娘のためにも自分の殻を打ち破って前進しなければならない。そんな新米パパの悪戦苦闘ぶりを、柔らかな光で包み込むような映像で綴った感動作である。
30歳のカルロは仲間たちと美容皮膚科のクリニックを経営し、患者の苦情にも丁寧に対応し、仲間の失敗もフォローする真面目な医師。そして、10か月の娘のパパとして奮闘するシングルファーザーでもあった。日々成長する可愛い娘の育児を楽しみ、体を鍛え、仲間や両親の協力もあって男やもめでも結構楽しく暮らしていた。だが、心のどこかに亡くなった妻のことがカルロを悩ませていた。
医学生の頃からパートナーだった妻は、何事においてもカルロより積極的で優秀な医師だった。誰もが羨むような美男美女のパーフェクトカップルと思われていたが、夫婦仲は破綻寸前だった。そして、やっと授かった子供の出産時に妻は亡くなってしまう。和解できずに死別してしまい、残されたカルロは乳飲み子を抱えて途方に暮れる。カルロは、ハンサムな上に社会的にも経済的にも恵まれていて、一見何の憂えもなさそうだが、内心は妻が求める自分になれずに不安で堪らなかったのだ。
ある朝、カルロはランニング中にフランス人のカミーユと知り合う。スポーツ療養の勉強をしているカミーユは、相手のプライベート領域に強引に入ってくるタイプではなく、余計な口出しもせず、適当な距離感を保てる控え目な女性だった。いつの間にかカルロの頑なな心がほぐれ、強がらずとも自然体で生きられるような気になってきた。
カルロ自身の優柔不断さが夫婦の仲を危うくしていたのだ。妻のセンスで統一されたインテリアひとつ見ても、自分の不甲斐なさに打ちのめされてしまうカルロ。優し過ぎる性格は、時として人を傷付けプレッシャーを与えてしまうことがある。自らの意志で自信を持って生き、最愛の娘の健やかな成長を見守る親の務めを果たす。そして、新たな幸せをつかむためにも、ウジウジ悩んでないで前進することこそ、亡き妻への愛に応えられるというもの。新米パパ、頑張れ!
(河田 真喜子)
*テアトル梅田での上映日
① 『フェデリコという不思議な存在』 ⇒ 8/22(土)・8/25(火)・8/28(金)・8/31(月)・9/3(木) 連日10:00~
② 『ただひとりの父親』 ⇒ 8/23(日)・8/26(水)・8/29(土)・9/1(火)・9/4(金) 連日10:00~
③『夫婦の危機』⇒ 8/24(月)・8/27(木)・8/30(日)・9/2(水) 連日10:00~
《Viva!イタリアvol.2》 (他にも、『フェデリコという不思議な存在』『ただひとりの父親』の上映あり)
2015年8月22日(土)~テアトル梅田(詳細は→コチラ)、
9月21日(月・祝)~京都みなみ会館、 11月7日(土)(予定)~元町映画館
公式サイト⇒ http://vivaitalia.link/