原題 | Che strano chiamarsi Federico |
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制作年・国 | 2013年 イタリア |
上映時間 | 1時間33分 |
監督 | エットレ・スコーラ |
出演 | トンマーゾ・ラゾッティ、マウリツィオ・デ・サンテス、ジャコモ・ラゾッティ |
公開日、上映劇場 | *テアトル梅田での上映日⇒8/22(土)・8/25(火)・8/28(金)・8/31(月)・9/3(木) 連日10:00~ 《Viva!イタリアvol.2》(他にも、『夫婦の危機』『ただひとりの父親』の上映あり) 2015年8月22日(土)~テアトル梅田、9月21日(月・祝)~京都みなみ会館、11月7日(土)(予定)~元町映画館 |
~豊穣なイメージあふれる映画のつくり手の魅力に迫る~
没後20年を機に撮られた、イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督(1920年~1993年)のドキュメンタリー映画。1939年に故郷リミニを旅立ってから亡くなるまでの数々のエピソードを、フェリーニ自身の映像やフェリーニ作品を織り交ぜながら描く。『道』(1954年)のジェルソミーナの哀しい眼差しは、ひとめ見ただけで、物語を超えて、観る者の心をとらえて離さない。そんな魅力あふれる映像をつくり続けてきたフェリーニ監督の不思議に迫る。
20歳でローマにやってきたフェリーニ。スパイスの効いたフレーズを添えたイラストで有名な風刺雑誌「マルカウレリオ」の編集部で働き始める。編集会議の様子が楽しい。メンバーが、思いついたネタを次々と披露しては、仲間に手厳しく批評される。似顔絵や漫画が皆、巧い。本作を撮ったスコーラ監督は、フェリーニより11歳年下で、16歳の頃、この編集部に採用され、フェリーニと共に働いた仲。
若い頃から、不眠症で、夜の街をドライブするのが好きだったというフェリーニ。再現したドラマのシーンと、実写の映像とがうまくつなぎあわされ、時に語り手が登場して率直なコメントを加える。幻想的な構成で、イメージの世界をたゆたうようなフェリーニの映画をほうふつさせる。
フェリーニはアカデミー外国語映画賞を4度受賞。街の人々が、道端で、次々と受賞のお祝いを言いに集まってくる光景は、庶民の日常と映画の距離が近く、フェリーニが市民の誇りであり、親しみのある存在であったことを伝え、微笑ましい。
フェリーニ作品の名シーンが次々とつなげられるラストは圧巻。動きを生かしたカットつなぎで、『8 1/2』のニーノ・ロータのテーマ曲も加わり、映画が映像の魔術であり、多彩なイメージの宝庫であることを実感させてくれる。フェリーニの映画が好きな人はもちろん、苦手な人も観たことがない人も、きっと観てみたくなるにちがいない。
(伊藤 久美子)
*テアトル梅田での上映日
① 『フェデリコという不思議な存在』 ⇒ 8/22(土)・8/25(火)・8/28(金)・8/31(月)・9/3(木) 連日10:00~
② 『ただひとりの父親』 ⇒ 8/23(日)・8/26(水)・8/29(土)・9/1(火)・9/4(金) 連日10:00~
③『夫婦の危機』⇒ 8/24(月)・8/27(木)・8/30(日)・9/2(水) 連日10:00~
《Viva!イタリアvol.2》 (他にも、『夫婦の危機』『ただひとりの父親』の上映あり)
2015年8月22日(土)~テアトル梅田(詳細は→コチラ)、
9月21日(月・祝)~京都みなみ会館、 11月7日(土)(予定)~元町映画館
公式サイト⇒ http://vivaitalia.link/