原題 | Ted 2 |
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制作年・国 | 2015年 アメリカ |
上映時間 | 1時間56分 R15+ |
監督 | 監督・脚本・製作・(テッドの声):セス・マクファーレン |
出演 | マーク・ウォールバーグ、セス・マクファーレン(テッドの声)、アマンダ・セイフライド、ジョヴァンニ・リビシ、ジョン・スラッテリー、ジェシカ・バース、モーガン・フリーマン |
公開日、上映劇場 | 2015年8月28日(金)~全国ロードショー |
~“おバカ映画”と舐めるなよ!
映画オタクが真剣に撮ったB級のフリしたA級映画だぞ!(多分)~
あのもふもふの可愛いテディベアがエロおやじ!? と驚いたのは3年前。クリスマスプレゼントにもらったテディベアと本当の友だちとなりますようにと願った孤独な少年・ジョンと、本当に命が宿ってしまった“テッド”との感動物語…となるはずだった。だが27年後、大人になりきれないジョンと、外見は可愛いテディベアのままだが中身はエロおやじと化したテッドとの、不良中年二人組の奇天烈・爆笑・友情物語、というのが前作だった。さて、あれから少しは成長できたのだろうか?
な訳ない!! バツイチとなったジョン(マーク・ウォールバーグ)に対し、なんとテッドが結婚!? 相変わらず二人の好きなものは、お酒・B級映画・美女・マリ〇ナとまあ、不良中年続行中。ところが、バイト先のスーパーで知り合ったタミ=リンとテッドがまさかの結婚!? そして1年経って、早くも夫婦の危機!? そこで子供を持つことを思い付く。さすがのテッドも魂は人間臭いが、生物学的にはぬいぐるみのまま。子供を作れない→人工授精?→誰の精子を?→アメフトのスーパースター選手?→ジョン?(みたいな子供ができたら困るテッド)→ぜ~んぶ失敗!無理!→養子を?
だが、父親が人間でないと養子はとれない!(当たり前だろ?) そこで、テッドは人権を求めて立ち上がる!→法廷闘争へ→誰もまともに弁護を引き受けない中、新米弁護士サマンサ(アマンダ・セイフライド)登場! ちと頼りないが、熱意はある(多分)。テッドを人間として認定してもらうため奮闘するが、ことごとく打ち砕かれる。最後の望みを賭けて大物弁護士(モーガン・フリーマン)に依頼するが……。
どう見てもぬいぐるみのテッドに人権が認められるとは思えない! だが、法廷では、黒人問題からLGBT問題(レズ・ゲイ・バイ・トランス)に至るまで、歴史的にも人権問題に実績のあるアメリカらしく説得力のある弁護が繰り広げられ、思わぬ怪我の功名で奇跡が起こる(ホント)。
フレッド・アステアもびっくり!? 冒頭、豪華絢爛な“ザッツ・エンタテイメント”ばりのレビューシーンが登場する。あの短い手足を一所懸命使ってタップダンスをするテッド。あの部分だけ他の人が監督したの?と思ったが、マルチな才能を発揮しているセス・マクファーレンは歌や作曲も巧みで、有名オーケストラとコラボしたコンサートやアルバムまで出しているというから、大いに納得!
劇中、アマンダ・セイフライドが「Mean ol’ Moon」をしっとりと歌うシーンがある。ノラ・ジョーンズには及ばないものの、『マンマ・ミーア』『レ・ミゼラブル』などのミュージカル映画でも大活躍している“ゴラム”(?) いやアマンダなので巧いのは当然だが、ジョンの心に火を灯すには十分だったようだ。また、B級映画オタクのオッサン二人が放つギャグが、26歳のサマンサには年齢差があり過ぎてズレまくる! ジェネレーションギャップもいいとこだ。コスプレ会場のシーンでは、B級映画ファンが狂喜乱舞するヒーローやキャラクターのオンパレード♪
つくづく、セス・マクファーレンという人は、映画が大好きなんだなと感じた。『荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~』でも西部劇へのオマージュが込められた面白い作品だったが、今回の映画への愛にあふれた『テッド2』は、B級の様相を呈しているが、決して侮れない名作だと思う(ホント)。またじっくりと見たい!
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://ted-movie.jp/
(C)Universal Pictures