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『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』

 
       

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作品データ
原題 God Help the Girl 
制作年・国 2014年 イギリス 
上映時間 1時間51分 PG-12
監督 脚本・作曲・監督:スチュアート・マードック
出演 エミリー・ブラウニング、オリー・アレクサンデル、ハンナ・マリー
公開日、上映劇場 2015年8月15日(土)~ シネ・リーブル梅田、以降 京都シネマ 元町映画館 にて順次ロードショー

 

~キュートなファッションとスコティッシュ・サウンドに彩られた新鮮なミュージカル♪~

 

心に優しくフィットする新しいミュージカルの誕生である。ドラマチックなミュージカルを次々と発信するイギリスから、またもやナイーブでキュートな『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』がやってきた。『マンマ・ミーア』や『踊るアイラブユー♪』『サンシャイン歌声が響く街』などのような過去のヒット曲をモチーフにしたものではなく、むしろ、サウンドが生まれる瞬間の喜びと感動に満ちた『はじまりのうた』や『Oonce ダブリンの街角で』に近い。スクールファッションをイメージさせるキュートなファッションと、スコティッシュ・サウンドに彩られた軽ポップ風のミュージカルは、新鮮な感性で観る者を“胸キュン”にしてくれる。
 

god help-500-1.jpg《ベル&セバスチャン》のフロントマンのスチュアート・マードックが、脚本とサントラを同時進行で書き上げ、さらに監督まで務めている。彼の出身地であるスコットランドのグラスゴーを舞台に、まだ自分の生きる道を見出せず不安な若者のナイーブさを、全編軽やかなオリジナルサウンドで謳いあげている。ステュアート自身、20代の頃7年間の闘病生活を送り、その後音楽を通じて新たな世界への道を切り拓いてきた。その経験を主人公のイヴに置き換え、「つまずいても、スタートが遅れても大丈夫!勇気を出して一歩前に踏み出そうよ、人生はこれからだ!」と勇気付けてくれるような、ご機嫌なミュージカルに仕上がっている。


god help-500-2.jpgうつ病と拒食症で入院生活を送っていたイヴ(エミリー・ブラウニング)が、孤独な世界から飛び出し、ジェームズ(オリー・アレクサンデル)とキャシー(ハンナ・マリー)に出会い、新しいバンドを結成する。目的が定まらず何となく生きていた3人が、音楽を通じて新たな世界へと第一歩を踏み出す。イヴとジェームズのお互いの想いが空回りする恋模様や、イヴが曲を生み出すシーンがいい。自分の気持ちを吐露するように、イヴの繊細な感性がふうっとメロディになる瞬間は感動もの。さらに、透明感のあるエミリー・ブラウニングの声と音感にもすっかり魅了された。イヴのキャスティングにはかなりの時間を要したらしいが、その甲斐あって素晴らしいサウンドが完成している。


エミリー・ブラウニングは、オーストラリア出身の子役から活躍している女優で、『エンジェル・ウォーズ』や『スリーピングビューティー/禁断の悦び』『ポンペイ』と、コケティッシュな顔立ちの割には美人の役が多い不思議な魅力を持っている。それにしても、彼女がこんなに歌が巧いとは意外だった。オリー・アレクサンデルも、UKチャート1位に輝いたことのある人気ミュージシャン。役者としては『ウィークエンドはパリで』でジェフ・ゴールドブラムの息子役を演じていた。ひょろっとした風貌でちと頼りなさそうに見えるが、他人の気持ちに寄り添える懐の深さを感じさせた。スチュアート・マードック作曲の繰り返し聴きたくなるような魅力満載のサントラも要チェック!

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.godhelpthegirl.club/

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