原題 | Ballettguttene |
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制作年・国 | 2014年 ノルウェー |
上映時間 | 1時間15分 |
監督 | ケネス・エルヴェバック |
出演 | ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロド,シーヴェルト・ロレンツ・ガルシア,トルゲール・ルンド |
公開日、上映劇場 | 2015年8月29日(土)~ヒューマンアトラスシネマ有楽町、渋谷アップリンク、10月3日(土)~シネ・リーブル梅田、10月10日(土)~京都シネマ、順次~元町映画館 ほか全国順次公開 |
~夢に向かってバレエを続ける3人の少年~
ルーカス,トルゲール,シーヴェルトの3人は,いずれも14~15歳で同じ中学校に通う気の置けない友達同士だ。3人とも,プロのバレエダンサーを目指しており,オスロの国立アートアカデミー(KHiO)のオーディションに合格する。そこはノルウェー最大の芸術大学で学費が無料であり,卒業生はノルウェー国立バレエ団等に就職しているという。だが,ルーカスだけロンドンのロイヤル・バレエ・スクールからオーディションに招かれた。
嫌気が差して止めたくなることもあるというトルゲール。実際に止めたけど後悔が続いて戻ってきたシーヴェル。バレエ以外の選択肢は考えられないというルーカス。バレエに対する思いには微妙な濃淡があるようだ。だが,更衣室でくつろぐ3人の姿には仲の良さがあふれている。良いライバルと競い合うことで自分を伸ばすことができる。その関係も永遠には続かず,岐路に立たされる。ほろ苦くもあるが,揺るぎない力強さも湧いてくる。
監督は,バレエとは才能と厳しいトレーニングであり,友達や家族に支えられながら自分の表現やアイデンティティを見つけようとする悪戦苦闘だ,という。そして,ストーリーでそのことを示しながら,スクリーンにバレエの美しさを映そうとする。バレエシーンでは,短いショットを重ね,ハイビジョンカメラを用いて回転やジャンプの一瞬の美しさを捉えた。また,バレエスクールの最終公演の舞台映像は,もっと見ていたかったと思う。
ルーカスは,2012年9月からロンドンで生活を始めるとき,生活のノウハウの一つとして,幸せな気持ちが大切で,笑顔が必要だと教えられる。そして,ロイヤル・バレエ・スクールでレッスンを受ける姿が描かれる。その後の成長を予感させるようなルーカスの表情が良い。本作の公式サイトには3人の2015年の様子が掲載されている。ルーカスは,ロイヤル・バレエ団に研修生として入団し,8月から舞台に立つことが決まっているという。
(河田 充規)