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『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス 』

 
       

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作品データ
原題 THE HUNGERGAMES:MOCKINGJAY PART1  
制作年・国 2014年 アメリカ
上映時間 2時間02分
原作 スーザン・コリンズ著「ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女」(河井直子訳KADOKAWA刊)(「ハンガー・ゲーム」「ハンガー・ゲーム2 燃え広がる炎」)
監督 フランシス・ローレンス(「アイ・アム・レジェンド」「コンスタンティン」「ハンガー・ゲーム2」)
出演 ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、エリザベス・バンクス、ジュリアン・ムーア、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジェフリー・ライト、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランド、サム・クラフリン、ナタリー・ドーマー
公開日、上映劇場 2015年6月5日(金)~TOHOシネマズ、みゆき座、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸 他全国ロードショー

 

~いよいよFINAL! 戦うことを余儀なくされた少女の悲哀~

 

hungergames3-2-1.jpgアメリカのメガヒットシリーズ『ハンガー・ゲーム』。その最終章の前篇となる3作目にして、初めてその良さを実感。前2作では、家族や仲間や故郷を思い遣る心優しきヒロイン、カットニスの強靭な精神と肉体に信頼と希望を見出してきた。だが、正直若者が殺し合う残酷さに少々辟易してしまった。それがどうだろう、本作ではただ殺し合うだけのゲームから独裁国家に対するクーデター勃発で開幕し、俄然面白くなってきた。さらに、カットニスを演じるジェニファー・ローレンスが、ジャンヌ・ダルクよろしく国民の悲願を一身に背負う若き英雄を、女性らしいきめ細やかな心情を見せながら熱演。カットニスが革命軍の象徴として覚悟を決めるまでを、大激戦を前にした静かな情景で綴られる感動作となっている。


hungergames3-4-1.jpg独裁国家パネムでは、12の地域から選ばれた少年少女たちに生き残りをかけて殺し合いをさせる「ハンガー・ゲーム」をTV中継で全国民に見せていた。そうすることで、恐怖と暴力による圧政を強いていたのだ。幼い妹の身代わりにハンガー・ゲームに出場させられたカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、ピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)と共に熾烈なゲームを戦い抜くが、彼女の並外れた能力と人望を怖れた独裁者スノー大統領(ドナルド・サザーランド)は、カットニス抹殺を謀る。そこで開催された歴代優勝者によるゲームでは、カットニスは集中して命を狙われ、他の地区の代表者と協力してその危機に立ち向かう。


hungergames3-5-1.jpgところが、突然ゲームが中断され、ゲームメーカーのプルターク(フィリップ・シーモア・ホフマン)と教育係のヘイミッチ(ウディ・ハレルソン)によってカットニスは救出され、ピータは捕まってしまう。滅亡したはずの第13地区は、アルマ首相(ジュリアン・ムーア)によって地底深くに秘密基地を構え、幼なじみのゲイル(リアム・ヘムズワース)も参加して、革命に備えていた。国民を一致団結へと導くためにもカットニス=マネシカケス(炎の少女の代名詞)の人気を必要としていた。冷酷なスノー大統領は、爆撃や殺戮によってカットニスの美しい故郷を廃墟にし、囚われたペータを悲惨な姿へと変貌させていた。


劇中ジェニファー・ローレンスが歌う「The Hanging Tree」が、特に抑圧された人々の悲哀を謳いあげて、心に響く。最初アカペラで子守歌のように静かに歌い始め、次第にオーケストラが加わりコーラスで盛り上げる。強大な力に立ち向かおうとする革命軍の覚悟を呼び起こすような歌は、知らぬ間に見る者にも勇気を奮い立たせ、戦いを前にした少女の悲哀がひしひしと伝わってくる。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.hungergames.jp/

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