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『チャッピー』

 
       

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作品データ
原題 Chappie 
制作年・国 2015年 アメリカ 
上映時間 2時間
監督 監督・脚本:ニール・ブロムカンプ(『第9地区』『エリジウム』) 共同脚本:テリー・タッチェル
出演 シャールト・コプリー(『第9地区』)、デーブ・パテル(『ミリオネア』)、ニンジャ、ヨーランディ・ヴィッサー、ヒュー・ジャックマン(『ウルヴァリン』『レ・ミゼラブル』)、シガニー・ウィーヴァー(『エイリアン』)
公開日、上映劇場 2015年5月23日(土)~丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、TOHOシネマズ(なんば・二条)、MOVIX京都、T・ジョイ京都、OSシネマズ(神戸・ミント神戸)、109シネマズHAT神戸、神戸国際松竹 他全国ロードショー

 

~純粋無垢なロボット“チャッピー” VS 悪役ヒュー・ジャックマン~

 

chapy-5.jpgあの良き父親であり正義の味方のヒュー・ジャックマンが、人口知能「AI」を搭載したロボットを執拗に追い詰める悪役を怪演。ロボットがゼロから学習する様子は無垢な赤ん坊そのもので、パパとママに甘えながら成長する姿は何とも愛らしい。だがロボットが自ら学習する知能まで完備するとなると、人間が支配される危険性はないのだろうか。ロボットと人間の未来像を現実的に提議されているようで、チャッピーの成長に目が離せなくなる。また、日本のアニメに影響されたというロボットの形状やアイテムなどがいろいろ登場するのも楽しい。
 

ニール・ブロムカンプ監督の作品には、第1作の『第9地区』ではエビに似たエイリアン移民の親子の情愛にホロリとさせられ、2作目の宇宙規模の格差社会を描いた『エリジウム』では地球と人類の未来像に愕然とさせられた。ブロムカンプ作品が印象的なのは、エイリアンやロボットであっても「人間らしい心情」が底通していることと、リアルな映像を駆使した世界観は決して絵空事ではない現実の問題として警鐘を鳴らし、さらに共存への期待が込められているからだろう。
 

chapy-4.jpg犯罪はびこる近未来、危険な任務をこなすロボット警官の圧倒的武力によってかろうじて秩序が保たれていた。だが、ロボット警官を生産する会社のディオン(デーブ・パテル)が開発した人工知能「AI」搭載のロボットが出現したことで、大混乱をきたす事態に陥る。AIロボット台頭に危機感を持つ上司のミシェル(シガニー・ウィーヴァー)と、ディオンの能力に嫉妬しAIロボを目の仇にする軍用ロボ開発者のヴィンセント(ヒュー・ジャックマン)は、AIロボの抹殺を謀る。
 

chapy-2.jpg会社でもトップの功績を誇っていたディオンだったが、上司に反対されてもAIロボの開発にのめり込み、密かに持ち出した機材もろともストリートギャングに略奪されてしまう。幽閉先で完成させたAIロボは、言葉も分からず、おどおどした無力な赤ん坊のような状態で、“チャッピー”と名付けられる。育ての親となるヨーランディとニンジャ(この二人は南アで活躍するミュージシャン)のハチャメチャな教育を受けて驚異的スピードで成長していくチャッピー。それは人間の男の子が成長する姿そのもので、いじらしくて微笑ましい。
 

だが、スクラップされたボディを使用したため、コピー不可能な人工知能のチャッピーの寿命は5日間しかないことが発覚。そこからのチャッピーの成長とヒュー・ジャックマン扮するヴィンセントとの攻防が面白い。武力で攻めるヴィンセントに対し、愛する人を守ろうとするチャッピーの健気な悪戦苦闘ぶりに、思わず胸が熱くなる。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.chappie-movie.jp/

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