制作年・国 | 2015年 日本 |
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上映時間 | 1時間50分 |
原作 | 乾くるみ著『イニシエーション・ラブ』(原書房/文春文庫刊) |
監督 | 監督:堤 幸彦 脚本:井上テテ |
出演 | 松田翔太、前田敦子、木村文乃、三浦貴大、前野朋哉、森岡 龍、矢野聖人、藤原季節、吉谷彩子、松浦 雅、八重樫琴美、大西礼芳、佐藤 玲、山西 惇、木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎 |
公開日、上映劇場 | 2015年5月23日(土)~全国東宝系にてロードショー |
~びっくり仰天のラスト!
常識破りの恋愛ドラマに頭を抱えて唸りたくなる面白さ!~
前田敦子扮する純真で可愛い女の子と松田翔太扮するイケメンとのベタな遠距離恋愛ドラマ?と舐めてかかってはいけない。最後にあなたを待ち受けるのは、「じぇじぇじぇ~っ!?」と絶叫したくなる驚愕の瞬間。決して見逃さないように! 「やられた~!」とまんまと騙されては、それまでの伏線や彼女の真意について誰かと語りたくなる。こんな驚きと興奮に満ちた恋愛映画は初めて。この映画だけは誰かと一緒に観に行くことをおススメします。
時代はバブル景気に沸く1980年代末。聖子ちゃんカットからソバージュヘア、ハイレグ水着にボディコン・ファッション、DCブランドや「エアジョーダン」のバスシューなどファッション小物が次々と登場。さらに、当時流行したに森川由加里の「SHOW ME」や寺尾聰の「ルビーの指輪」や小椋佳の「揺れるまなざし」など沢山の流行歌のオンパレード。そうした懐メロをバックに、二人の恋の行方にすっかり惹き込まれてしまう。
太って風采は上がらないが優秀な理系男子の夕樹は、合コンでマユ(前田敦子)というとても可愛いらしい女の子に一目惚れする。意外にも彼女の方もまんざらではなく、夕樹を「たっくん」と呼んで親密になっていく。そんなマユのために、内定していた東京の一流企業を蹴って地元・静岡の企業への就職を決意。さらに、二人で過ごしたロマンチックなクリスマス・イヴ、幸せ絶頂の「たっくん」はマユのために痩せる決心をする!……それから場面は6月に飛ぶ。
足元も軽やかにランニングに励む「たっくん」。ここでやっと松田翔太登場!(痩せただけで松田翔太になれるのか!? まっ、ドラマだからと納得。)せっかくマユのために地元企業に就職した「たっくん」だったが、優秀さを買われ東京へ転勤。新たな職場での仕事も忙しく、遠距離恋愛を持続させようと無理をすることが多くなる。そんな矢先、職場の同僚・美弥子(木村文乃)に好意を寄せられ、「たっくん」の心に迷いが生じる……ああ、哀れマユちゃん、どうなる?
まあよくある遠距離恋愛の顛末かと思いきや、ラストに用意された“秘密”の暴露に、ただただ頭を抱えて唸ってしまった。今まで何を見てたんだろう?マユは本当に「たっくん」のことが好きだったのか? とマユの真意が気になって仕方がない。マユを演じた前田敦子の演技が素晴らし過ぎる! 《AKB48》卒業後インディー系映画出演が多く、自然体で演じる役柄が多かったように思う。それが本作ではとても愛らしい女性として綺麗に撮ってもらっていて、さながら彼女のプロモーション映像のようだ。前田敦子の本意を秘めた純真で優しい女性像に、男性はメロメロになるだろう(実際メロメロになった私は、「男目線だ!」と責められてしまった)。だが女性にはどう映るのだろうか?デートムービーにしちゃうと、揉める原因になり兼ねないが、意外な面白さで会話が弾むこと間違いなし!
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://www.ilovetakkun.com
(C)2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会