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『キャノンレース』

 
       

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作品データ
原題 Borning
制作年・国 2014年 ノルウェー 
上映時間 1時間33分
監督 ハルヴァルド・ブレイン
出演 アンドレス・バースモ・クリスティアンセン、ヤニ・スカヴラン、スヴェーン・ノルディン、オットー・イェスペルセン、イダ・ヒューセイ、トロン・ハルボ
公開日、上映劇場 2015年5月30日(土)~大阪ステーションシティシネマ 他全国順次公開
 
 

~父娘の、親友の夢を乗せてフィヨルド激走2,200km!~

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フィヨルドとトロール(妖精)の国ノルウェーから意外な魅力のカーアクション映画『キャノンレース』がやってきた。アメリカ映画『キャノンボール』にオマージュを捧げられた本作は、現在大ヒット中の『ワイルド・スピード/スカイミッション』や昨年夏公開された『ニード・フォー・スピード』のような想定外のド迫力アクション映画とは少し違うが、首都オスロからヨーロッパ最北端のノールカップ岬までの2,200kmを激走するという今まであまり見たことのない大自然の風景が楽しめる。さらに、途切れかけた父娘愛が復活する様子や、親友のために完走しようと男気を見せる友人など、スピードだけではない人情味あふれる物語で、名だたるスポーツカーより人間が主役のドラマとなっている。
 

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妊娠中の妻を乗せてスピードを競った挙句、事故って早産させてしまった男ロイ(アンドレス・バースモ・クリスティアンセン)。何とか無事に生まれた娘をゆっくり抱かせてもらうこともなく、無謀運転で服役、そして離婚。14年後、整備工場を経営するロイの元に、14歳の娘ニーナ(イダ・ヒューセイ)がやって来る。愛車のマスタングで9年連続優勝してきた地元のカーレースを翌日に控え、多忙なロイはニーナに構っている余裕がなかい。
 
 
ロイは幼い頃と違って思春期を迎えたニーナにどう接していいか分からない。ニーナの方は子供の頃のように父親と親密になりたくて車の整備を手伝おうとするが相手にされない。頭にきたニーナはロイの愛車に細工して10連勝を阻んでしまう。そこで因縁のライバルTTからの挑戦を受けて、たった100クローネ(約15,000円)を賭けて、オスロからノールカップまでの2,200kmを競うレースに参加することになる。賞金よりもスピードに命を賭けるレーサーの誇りを賭けて多くの改造車が集結。こうして公道を駆け抜ける一大スピードレースが始まる。勿論警察がそれを許すわけがない。
 

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無理やり同行することになったニーナとロイ。ギクシャクした車中でのふたりの表情がいい。特に、父親に愛されたいニーナが、常にロイを見遣りながら気にする表情がいい。ロイの気持ちが上向くと、ニコ~と可愛らしい微笑みを見せて、心から父親のことが好きなんだなあと感じさせる。ロイの友人ルイは息子ジミーと親友のニーバッケンと参加して、何かにつけてロイ父娘を気遣う。またロイの恋人シルビアも女友達と参戦。警察に阻止され絶対の危機には沿道のヤンキーたちが助けてくれたり、クライマックスではニーナの思わぬ助言が功を奏したり、最後の最後まで目が離せない。
 
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北欧の大自然をバックに激走するスポーツカーと、牧歌的雰囲気の人々とのギャップがまた面白い。増々高度化する完璧なアクションを追求するアメリカ映画もいいが、意外な魅力満載のなごみ系アクション映画もいいもんだ。
(河田 真喜子)
 
公式サイト⇒ http://cannonrace.com/
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