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『シンデレラ』

 
       

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作品データ
原題 CINDERELLA 
制作年・国 2015年 アメリカ 
上映時間 1時間45分
監督 監督:ケネス・ブラナー(『ヘンリー五世』『から騒ぎ』『魔笛』『マイティ・ソー』『マリリン 7日間の恋』)     脚本:クリス・ワイツ プロダクション・デザイン:ダンテ・フェレッティ(『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』『アビエイター』『ヒューゴの不思議な発明』)衣裳:サンディ・パウエル(『恋におちたシェイクスピア』『アビエイター』『ヴィクトリア女王 世紀の愛』)
出演 リリー・ジェームズ(『タイタンの逆襲』)、ケイト・ブランシェット(『ブルージャスミン』『アビエイター』『エリザベス』)、リチャード・マッデン(『暮れ逢い』)、ステラン・スカルスガルト、デレク・ジャコビ、ヘレネ・ボナム=カーター
公開日、上映劇場 2015年4月25日(土)~全国ロードショー

 

~「勇気と優しさが魔法になる」
 魔法が使われる以前に王子の心を射止めた新生“シンデレラ”の魅力とは?~

 

ディズニーが贈る実写版『シンデレラ』は、星に願いをして耐えるだけの受け身の女の子ではない。誰に対しても寛大で優しく、どんな仕打ちをされても勇気をもって乗り切ろうとする、本当に純真で善良な女性が主人公なのだ。今までの物語と大きく違う処は、そんなシンデレラが「堪らなく妬ましい!」と辛く当たる継母と義理の姉たちの深い事情に加え、シンデレラは舞踏会が開催される以前に森の中で王子と出会っていることだ。身分を明かさずとも、たった一度会っただけで、お互いの誠実さを感じ取り惹かれ合う二人。魔法の力で豪華に着飾らなくても、灰まみれの“ありのまま”の姿で王子の心を射止めるという、健気なシンデレラだからこそ新鮮な感動となって胸を熱くする。現代の技術と粋を結集して創られた、かつてない人間味あふれる絢爛豪華なラブストーリーの登場である。

cinderella-2-500.jpg監督は、『ヘンリー五世』『から騒ぎ』『魔笛』などシェイクスピア劇やオペラなどの映画化で定評のあるケネス・ブラナー。ディズニーが誇る不朽の名作「シンデレラ」を史上最高のスタッフとキャストでドラマ化。不遇のヒロインに魔法やお城、王子様が登場する童話の王道を歩みながら、妬み、嫉み、物欲や権力欲などの人間の醜さに対し、純真で善良で誠実に生きる気高さを燦然と輝かせて見せる、実に清々しい物語を生み出した。しかも、「王子も国も私が守ります!」と野心家の継母に向かって断言する辺りは、革新的なシンデレラ像と言えるだろう。それは現代を生きる女性だけでなく、すべての人々にとって強力な応援歌となるにちがいない。

cinderella-2.jpg今回のシンデレラに大抜擢されたのは、「素直さと情緒的な知性」が勇気と優しさを兼ね備えたシンデレラ像にふさわしいと評価されたリリー・ジェームズ。若々しい健康的な美しさに加え、気品ある立ち居振る舞いがエレガント!ハンサムでカッコイイだけの王子様ではなく、父国王に対する愛情と後継者としての責任感を滲ませ、より深い人間性を表現したリチャード・マッデン。彼の情熱的な演技力に導かれての感動だったように思う。さらに、美しく着飾った陰から悪意の牙をむく継母を演じたケイト・ブランシェット。「エリザベス女王」を演じた彼女ならではの貫録は圧巻!なぜシンデレラに辛く当たるのか?夫とシンデレラが仲良くしている処を見ては憎たらしく思い、シンデレラの「若くて、純真で、善良」なところが疎ましいという、説得力のある史上最恐の継母を快演。

cinderella-3.jpg見応えのある演技陣に加え、人物別に特徴付けたデザインの衣装の素晴らしさは、この上なく言葉を失うほど。特に、シンデレラの衣装は、彼女の純真で善良さを表現する清楚な薄いブルーで統一され、魔法で変身した舞踏会用ドレスに至っては、装飾の少ないシンプルなプリンセスラインのデザインで、幾重にも重ねられたシフォン生地が半端ではないボリュームたっぷりの豪華さを演出していた。継母が着こなす数々のドレスも素晴らしい、純真なシンデレラとは対称的に大人のエレガンスを感じさせる19世紀末のフォルムを基調とし、強い意志をイメージする黒をどこかに取り入れたデザインを多用。どれもこれもスケール感のある豪華な舞台美術に負けない位の存在感を放ち、作品全体を盛り上げている。

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何回でも見に行きたくなる『シンデレラ』だが、吹替版では、シンデレラを高畑充希が、王子を城田優が吹き替えて、二人によるデュエット曲「夢はひそかに」も心地いい余韻を残してくれる。字幕版と吹替版の両方を見比べるのも楽しい。去年の大ヒット作『アナと雪の女王』に続き、今年の映画館は、ミュージカルではないが実写版『シンデレラ』一色に染まりそうだ。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.disney.co.jp/movie/cinderella.html

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