原題 | Kahaani |
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制作年・国 | 2013年 インド |
上映時間 | 2時間03分 |
監督 | スジョイ・ゴーシュ |
出演 | ヴィディヤー・バーラン、パラムブラト・チャテルジー、ナワーズッディーン・シッディーキー |
公開日、上映劇場 | 2015年2月21日(土)~ユーロスペース、3月14日(土)~シネ・リーブル梅田、4月11日(土)~京都シネマ、近日~神戸アートビレッジセンター ほか全国順次ロードショー |
~戦いの女神ドゥルガーの化身のようなヒロインが
夫失踪の謎に迫るサスペンス~
大きなお腹を抱えた妊婦ヴィディヤ(ヴィディヤー・バーラン)がロンドンからインドのコルカタ(旧カルカッタ)に行方不明の夫を探しにやってくる。地元警察の協力を得ながら、夫が泊まっていたはずのホテルや勤務先を訪ねるが、夫の名前もなければその痕跡すら残っていない。混沌とする街と不気味な組織の影に覆い尽くされそうになりながら、ヴィディヤは果敢にも優れたハイテクの知能と妊婦という女の武器をもって真相に迫っていく。次第に夫の本当の姿が明らかにされるにつれ、ヴィディヤの身にも危険が及んでくる。果たして、夫を見つけることはできるのか?
と言った単純なサスペンスではない。インド版『ゴーン・ガール』のような、失踪事件の裏にひそむ国家組織ぐるみの陰謀がからんでくる。そこで本作の大きな特徴と言えるのが、主人公のヴィディヤである。妊婦という一見弱い立場の存在を活かして、警察やホテルの従業員や周囲の人間を取り込んで協力を得ていく。これは今までにないヒロイン像だ。見ていてハラハラしながら彼女の動向から目が離せなくなる。
そして、街は「ドゥルガー・プージャー」という祭りの最中で、ただでさえ人の多い街がさらにごった返してくる。その中に混じって姿をくらますあたりは、祭りで祝われるヒンドゥー教の戦いの女神ドゥルガーがヴィディヤに乗り移ったように見えて面白い。優雅な容姿と激烈な気性を兼ね備えた女神こそ、本作の主人公ヴィディヤにオーバーラップして、とてもエキゾチックなヒロイン像に魅了されることだろう。
本作を監督したのはコルカタ生まれでロンドン育ちのスジョイ・ゴーシュ監督。俳優としても活躍する監督の次回作は、東野圭吾原作『容疑者Xの献身』のボリウッド版を手掛ける予定だとか。なお本作はハリウッドでのリメイクが決まっているというから、今後の活躍が楽しみな監督だ。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://megami-movie.com/