原題 | THE THEORY OF EVERYTHING |
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制作年・国 | 2014年 イギリス |
上映時間 | 2時間4分 |
監督 | ジェームズ・マーシュ |
出演 | エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、チャーリー・コックス、エミリー・ワトソン、サイモン・マクバーニー他 |
公開日、上映劇場 | 2015年3月13日(金)~TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、TOHOシネマズ二条他全国ロードショー |
受賞歴 | 第87回アカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞(エディ・レッドメイン) |
~身体が不自由になっても、精神はより研ぎ澄まされていく~
大ヒットミュージカル映画『レ・ミゼラブル』(12)で革命に燃える青年、マリユスを演じたエディ・レッドメインが、天才的物理学者スティーヴン・ホーキング博士を本当にチャーミングに演じ、輝きを放つ。難病に侵されながらも、常にチャレンジしつづける博士の探求心を全身で表現し、アカデミー賞やゴールデングローブ賞で主演男優賞を獲得するのも納得の演技だ。ドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』(08)のジェームズ・マーシュ監督が、60年代の博士と妻となるジェーンとの出会いから30年間を丁寧に綴ったヒューマンドラマ。ホーキング博士を支える妻の献身的な姿や葛藤も胸を打つ。
ケンブリッジ大学大学院で物理学を研究していたスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)は、パーティーでジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い恋に落ちる。スティーヴンは宇宙のすべてを説明するただひとつのセオリーを見つけつつあったが、徐々に運動機能が衰え、ALS(筋萎縮性側索硬化症)発症を告げられる。余命宣告を受けたスティーヴンはジェーンとの連絡を絶ってしまうが、ジェーンは支えて生きていくことを選び、結婚。二人で力を合わせて難病に立ち向かっていくのだったが・・・。
主人公は天才理論物理学者、その出会いのシーンから非常にユニークだ。スティーヴンとジェーンの会話はまるで暗号のよう。頭の回転の速い二人だからこその意思疎通で心を通わせていく。徐々に運動機能が衰えていく難病に侵されながらも、自らの研究を続けるスティーヴン。難病ものながら、その辛さばかりが前面に出ないのは、スティーヴンのより研ぎ澄まされていく内面をエディ・レッドメインが表情、しいてはその瞳の輝きで物語っているからだろう。
スティーヴンとの子どもを育てながら、研究に没頭する夫を支え、介護をする妻の懸命さだけでなく、支えがほしいと願う揺らぎまで繊細に表現したジェーン役のフェリシティ・ジョーンズも素晴らしい。才能も背負わされてしまった肉体の不自由さも普通ではない、特別な夫に対し、出来る限りの愛を注いだジェーンを凛として演じ抜いた。共に病と闘ったまさに同志でもあったのだろう。夫婦が辿るその後の道のりは、たとえ添い遂げるという形でなくても、二人だけのセオリーがまさしくそこにあるのだ。(江口由美)
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