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『エクソダス:神と王 』

 
       

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作品データ
原題 EXODUS:GODS AND KINGS 
制作年・国 2014年 アメリカ 
上映時間 2時間30分
監督 リドリー・スコット
出演 クリスチャン・ベール、ジョエル・エドガートン、ベン・キングスレー、シガニー・ウィーヴァー
公開日、上映劇場 2015年1月30日(金)~TOHOシネマズ 日劇、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ梅田 他全国ロードショー他全国ロードショー 【3D/2D】

 

~21世紀の“十戒”を何回見る?“旧約聖書”の世界をバーチャル体験~


天変地異や奇跡や預言オンパレードの旧約聖書の物語は、いつの世でも人をワクワクドキドキさせる。昨年公開された『ノアの箱舟』に続き、「出エジプト記」を映画化した『エクソダス:神と王』は、あの有名な『十戒』(‘56)のリメイクかと思いきや、よりダイナミックに、より人間的に、そして数々の奇跡を科学的に解明するという衝撃の映像で、かつてない興奮と感動の世界に引き込む。これは是非3Dで見て頂きたい。
 

exodus-5.jpg『グラディエイター』『ブレードランナー』など様々な時代を決死のサバイバルで生き抜くヒーローたちを、スケール感のあるクールな映像と叙情的な深みのある描写で群を抜くリドリー・スコット監督。まず、オープニングのヒッタイト人との戦いでド肝を抜く。まるで『アラビアのロレンス』のアカバ攻撃を思わせるような騎馬隊による猛攻だ。ただ、70㍉フィルムとデジタルでは映像の重みの違いはあるが…。そして10の奇跡にご注目。すべて科学的に説明されており、そのリアル感が旧約聖書の世界をより身近に感じさせてくれる。何と言っても、あの紅海を渡るシーンに驚かされることだろう。
 

exodus-2.jpgヘブライ人を約束の地へと導く偉大なモーゼ役を、『ファーナス/決別の朝』で見せた「庶民的な存在感がいい」とクリスチャン・ベールを起用。エジプト王ラムセスとの決別や残酷な神との対話など、人間らしい苦悩ぶりが真に迫る。また、エジプト王ラムセス役のジョエル・エドガートンのナイーブさがいい。モーゼと兄弟同然に育ちながら、次第に優秀なモーゼに危機感をつのらせ、「私が神だ!」と絶対神を貫こうとする。賢明なモーゼに対し、唯我独尊により破滅へと突き進む愚かさを露呈することになる。


 exodus-3.jpg【STORY】
紀元前1300年前の古代エジプト。歴代ファラ王は400年に渡りヘブライ人を奴隷として扱ってきた。エジプト王国を揺るがすヘブライ人の指導者が誕生したというお告げで、全てのヘブライ人の赤ん坊殺害命令が下される。その難を逃れようとナイル川に流された赤ん坊を王女が拾って、王子と一緒に宮殿内で育てた。それがモーゼである。成長と共に文武に秀でたモーゼは王や家臣の信頼を得るようになるが、王子ラムセスにとっては脅威の的となって行く。

 

exodus-6.jpgヘブライ人の窮状を目の当たりにした日、モーゼは出生の秘密を知ることになる。それがラムセス王に知られ、砂漠に追放される。瀕死のところをシナイ人に助けられ、そこで妻をめとり息子を授かる。平穏な日々を送っていたが、何かに導かれるようにシナイ山に登ったモーゼは、そこで神なる存在と遭遇して、自らの使命を自覚する。そして、再びエジプトに戻ったモーゼは、ヘブライ人解放のために闘うが、犠牲者は増えるばかり。


そこで、神なる存在がエジプトに大いなる災難をもたらし、ようやく自由の身になったヘブライ人を、モーゼは約束の地へ向けて導く。ところが、絶対王として威厳を保とうとしたラムセス王が約束を反故にして、追撃に出る。紅海を前に、向かいは海、後方はエジプト軍、絶体絶命の危機に再び奇跡は起こる。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.foxmovies-jp.com/exodus/

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