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『神様はバリにいる』

 
       

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作品データ
制作年・国 2014年 日本 
上映時間 1時間46分
原作 原案:クロイワ・ショウ 「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ刊)
監督 監督:李闘士男  脚本:森ハヤシ
出演 堤 真一、尾野真千子、ナオト・インティライミ、菜々緒/玉木 宏
公開日、上映劇場 2015年1月17日(土)~新宿バルト9、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都、MOVIXあまがさき、他全国ロードショー

 

~八百万(やおよろず)の神様もびっくり!“ご利益映画”でパワー全開!? ~

 

「人生はドラクエや」「失敗した時こそ笑え」「ダジャレは新しい発想を生む」「感謝の達人になれ」「世界は縁で回ってんねん」等と、成功の秘訣がポンポン飛び出す。NHK朝の連ドラで大活躍の堤真一が大阪弁でまくしたて、それにツッコミを入れる尾野真千子の変顔が最高に面白い! 関西出身のこのふたりの掛け合い見たさにまた劇場へ行きたくなる、そんな映画だ。


今年の邦画界は正月早々豊作だ。この『神様はバリにいる』をはじめ、『百円の恋』『さよなら歌舞伎町』と、「自分を変えたい!」願望の人必見映画が続く。特に本作は、インドネシアのバリ島に実在する元テキヤの大富豪をモデルにしており、成功の秘訣を実践的に伝授してくれる、こんなありがたい映画はない。そして最後には、金銭には換えられない本当に大切なものを優しく教えてくれる。それは、人と人との信頼関係であり、他者を思い遣る寛容さと心の豊かさだということを。

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 【STORY】
婚活ビジネスに失敗した祥子(尾野真千子)は、借金取りから逃げるようにバリへやって来る。到着早々バッグを盗まれ途方に暮れて、文字通り崖っぷちに立ちすくむ。そこで
イケメンのリュウ(玉木宏)に「ここで自殺しないで!土地の評価が下がるから」と注意される。依る術もなくリュウが心酔する大富豪のアニキの所へ連れて行かれる。ところが、立派な大富豪とはかけ離れた、パンチパーマに派手なサングラスとTシャツに眉毛なしのチンピラみたいなオッサンが目に飛び込んでくる。「え”~っ???」とその胡散臭そうなアニキ(堤真一)に驚く祥子だったが、事業成功の秘訣を学ぶため、仕方なくアニキに弟子入りする。


確かに大阪弁でまくしたてては「爽やかやろ?」と自我礼賛する変なオッサンだが、言う事為す事いちいち「ごもっとも!」とつい頷いては納得してしまう不思議な魅力がある。そんなアニキにも危機が訪れる。バリ島の人々に恩返ししようと始めた事業が暗礁に乗り上げてしまったのだ。一度壊れた信頼関係を取り戻そうと奔走するアニキ。そのひたむきさに祥子の心も揺れる。飾らないアニキの人柄やバリの人々の優しさに触れ、次第にそれまでの自分の欠点や為すべき事が見えてくる祥子だった。


 
「もうダメだ!」と諦めようが、どん底に落ちようが、心の持ちようによっては何とかなるものだ。「のんき過ぎる!」と叱られそうだが、アニキだって一気に成功した訳ではない。何度も挫折を経ながら、「ご縁を大切に」し「感謝の気持ちを忘れず」、常に「爽やかな笑顔」を心掛ければ、ものごとはいい方向へ行く。ダメ元で生きてさえいれば運は付いてくるというもの。

何でも周囲のせいにしていませんか? 悪いことや足りないものばかりを取り上げて嘆いてみても、しょうがない! 「これさえあれば!」とひとつでも恵まれていることに目を向けて、日々感謝して生きていきたいものだ。湘南乃風が歌う主題歌「BIG UP」にも励まされる♪

 (河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.kamibali.jp/

(C)2014「神様はバリにいる」フィルムパートナーズ

 

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