原題 | ANNIE |
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制作年・国 | 2014年 アメリカ |
上映時間 | 1時間58分 |
監督 | 監督・脚色:ウィル・グラック |
出演 | ジェイミー・フォックス、クワベンジャネ・ウォレス、キャメロン・ディアス、ローズ・バーン、ボビー・カナヴェイル、マーガレット・コレッティ、ニコレット・ピエリーニ、ダンカン・スミス、アマンダ・トロイヤ |
公開日、上映劇場 | 2015年1月24日(土)~TOHOシネマズ日劇、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、OSシネマズミント神戸、ほか全国ロードショー |
~誰もが“アニーに首ったけ!?”
利己的な大人の心を溶かすポジティブ・アニーの健気さ~
ニューヨークを救うのは何も“ミュータント・タートルズ”だけではない。6歳で出演した『ハシュパピー バスタブ島の少女』で史上最年少で主演女優賞にノミネートされた、あのクワベンジャネ・ウォレスが、可愛いぷっくりほっぺでN.Yの大人たちの心を救う。(どことなくミュータント・タートルズに似ているような…?)主題歌「Tomorrow」でおなじみのブロードウェイミュージカル『ANNIE』を現代のN.Yに置き換えて、満たされぬ想いで生きている現代人の心を潤すような物語を、感動的に謳いあげている。
しかも、ウィル・スミスとビヨンセの夫でラッパーのショーン“ジェイ・Z”カーターが製作を担当し、『ANNIE』のスタンダードナンバーをビートの効いた現代的なアレンジにしたり、新たな楽曲をプラスしたりするなど、より親しみやすいミュージカルに仕上げている。さらに、ニューヨーク生まれのウィル・グラック監督らしいニューヨーク・ロケを活かした解放感のある映像は、アニーの幸せを求めるポジティブさをさらに強調して、高揚感たっぷりの幸せな気分にさせてくれる。
『ベスト・フレンズ・ウェディング』(‘97)で、主役のジュリア・ロバーツがかすんで見えるくらいパァーッ!と明るい笑顔で魅了したキャメロン・ディアス。劇中ひどい音痴で笑いを誘っていたが、何とそんなキャメロンがミュージカルに初挑戦! しかも、意地悪ババア役を!? また、摩天楼輝くハイテク高層ビルの上層階に住み、ビジネス成功の次は政界進出を目論む携帯電話会社の社長をジェイミー・フォックスが、意外なほど優しく演じている。自らの心の内を吐露するように歌う「Who Am I」では、キャメロンとジェイミーとクワベンジャネのハーモニーが特に心に響く。
【STORY】
4歳でレストランの前に置き去りにされたアニーは、10歳になった今でも毎週金曜日になるとそのお店の前で両親を待っている。補助金目当てに身寄りのない子供たちを育てるミス・ハニガン(キャメロン・ディアス)は、昔を引きずる元歌手。子供たちに厳しく接しながらも、お金とイケメンに目がない。部屋ではいつもアニーが夢を語って皆を励ます。ある日、犬を助けようと危うく車にひかれそうになった処を大富豪のウィル・スタックスに助けられる。市長選に出馬したものの劣勢だったが、その映像がネットに流れるやいなや一挙に支持率が上がる。
そこでアニーを宣伝に使うことを思い付く。アニーもそれを承知で大人たちに付き合う。子供アレルギーで独身のウィル・スタックスは、他人に対する優しさや気遣いを見せることなどなかった。だが、身寄りがなくてもいつも明るく優しいアニーの健気さに次第に心が動いて、まるで氷が解けていくように人間らしい情愛に目覚めて行く。それはいつもスタックスを心配する秘書のグレース(ローズ・バーン)にとっても意外な心境の変化だった。そんな矢先、本当の親が見つかったという報せが入る。だが、それは選挙参謀とミス・ハニガンによる策略だった。
ミュージカル『ANNIE』の映画化は二度目だが、本作はアニーを演じたクワベンジャネ・ウォリスの魅力に尽きるだろう。表情がウーピー・ゴールドバーグに似てお茶目で可愛い!歌もダンスも上手いが、彼女の笑顔を見ているだけで幸せな気分になれる。何度でも見たくなる現代版アニーに会いに行って下さいね。
(河田 真喜子)
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