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『海月姫』

 
       

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作品データ
制作年・国 2014年 日本
上映時間 2時間6分
原作 東村アキコ『海月姫』(講談社『Kiss』連載)
監督 川村泰祐
出演 能年玲奈、菅田将暉、池脇千鶴、太田莉奈、馬場園梓、篠原ともえ、片瀬那奈、速水もこみち、平泉成、長谷川博己他
公開日、上映劇場 2014年12月27日(土)~全国ロードショー
 
 

~美しすぎる女装男子がオタク女子集団を救う!?~

 
よくもこれだけオタク女子が揃ったものだと感心してしまう。しかも今どきの腐女子というよりは、趣味や風貌が昭和風のオタクで、レトロ感満載な独特の世界観だ。東村アキコの人気コミック『海月姫』を『ひみつのアッコちゃん』の川村泰祐監督が映画化。役作りが必要なかったのでは?と思うぐらい、能年玲奈がクラゲ大好きなオタク女子を満面の笑顔で演じ、まさにはまり役だと思っていたら、もっとはまり役の美しすぎる女装男子に目が釘づけ。個性豊かなオタク女子集団たちの世界は、とことん楽しまなければ損だ。
 

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男子禁制のアパート天水館では、人生において男性は必要ない!と一癖も二癖もあるオタク女子たちが「尼~ず」と名乗り、それぞれのオタクを極めながら和気藹々と過ごしていた。ある日、クラゲオタクの月海(能年玲奈)は、熱帯魚ショップでクラゲの扱いについて揉めたところを、モデルのような美女に助けられる。天水館で一夜を明かした美女は、実は女装をした青年、蔵之介(菅田将暉)だった。月海は驚愕しながらも男性であることを伏せ、尼~ずの面々と交流を深めていく蔵之介を受け入れていくが、再開発計画による天水館取り壊しが決定し、絶体絶命のピンチに追い込まれてしまう。
 

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顔すらみせないアパートのヌシのBL作家をはじめ、鉄道オタク、三国志オタク、和物オタク、枯れ専とレトロテイストのオタク女子が勢ぞろい。エンドクレジットでようやく出演を知るぐらい誰かわからないような池脇千鶴や篠原ともえ、太田莉奈の怪演ぶりが隠れた見どころだとすれば、一番の見どころは一番女子力を発揮している蔵之介を演じる菅田将暉の見事な女装ぶりだ。今年は『そこのみにて光輝く』『闇金ウシジマくん PART2』で主役に負けない存在感を放った菅田が、最強無敵のファッショナブルな女子ぶりを発揮する一方、月海を見守る姿は男らしさがあり、凛々しい女装男子を好演。キラキラ瞳で魅了する能年玲奈とのツーショットは、まさにキラキラ度倍増だ。
 

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月海が描くクラゲの絵にインスピレーションを受けた蔵之介が考えた起死回生の策は、閉ざされた世界で生きる尼~ずたちの殻を破るきっかけになっていく。主題歌『マーメイドラプソディー』を書き下ろしたセカオワことSEKAI NO OWARIの大ヒット曲『スターライトパレード』にのって、尼~ずたちが動き出す姿はなんともファンタスティック。大逆転をかけたショーが幕を開けるとき、天水館は魔法にかかったような輝きを放つのだ。普通ならドン引きしそうな濃いキャラ揃いで、圧倒されそうになる一方、月海が見つめるクラゲは気持ちよさそうにフワフワ浮かび、うまくバランスを取ってくれる。まさにクラゲになった気分でユラユラと楽しんで観るのも一興かな。
(江口由美)
 
公式サイト⇒http://www.kuragehi.me/
(C) 2014映画『海月姫』製作委員会 (C) 東村アキコ/講談社