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『あと1センチの恋』

 
       

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作品データ
原題 LOVE,ROSIE 
制作年・国 2014年 ドイツ・イギリス 
上映時間 1時間43分
原作 セシリア・アハーン
監督 クリスチャン・ディッター
出演 リリー・コリンズ、サム・クラフリン、クリスチャン・クック、ジェイミー・ビーミッシュ他
公開日、上映劇場 2014年12月27日(土)~シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、2015年1月3日(土)~シネ・リーブル神戸 他全国順次公開

 

~縮まったり、離れすぎたり…あるカップルの距離感の歴史~

 

たまに、不発だった恋のゆくえを想像したりすることがある。あの時、あの人にもう少し思い切って近づいていれば…。あの時、あの人に「好きなんです」と、きちんと伝えていれば…。ひょっとして違う人生になっていただろうか、別に変わりはしなかっただろうか。わかりはしないけど、こういう映画を観ると、絶好のチャンスというのはそうたびたび訪れるもんじゃないなと改めて想うのだ。
 

ato1sench-2.jpgイギリスの田舎町、6歳の頃から一緒にいるのが当たり前のように過ごしてきた幼なじみのロージーとアレックス。距離が近すぎるから、異性として意識できない。ロージーの18歳の誕生日パーティーでふたりは偶然のような初キスをするが、酔っ払ったロージーはそのことを全く覚えておらず、これが恋人同士になるための最初のつまずき。やがて、ふたりはイギリスを脱出してアメリカ・ボストンへの留学を決意するが、ロージーがクラスメイトのグレッグと関係して妊娠したため、アレックスはひとりでボストンへ。その後も、それぞれに家庭を持つ時期もあったりしながら、連絡だけはとりあう“おともだち”同士。誰よりも相手のことを知っていて相手のことが気になるふたりなのに、いっこうにハッピーな進展は見られない。観ているほうがヤキモキしてくるほど、やたらと邪魔が入り、もう一歩が踏み出せないのだ。
 

ato1sench-3.jpg『P.S.アイラヴユー』の原作者セシリア・アハーンの2作目『愛は虹の向こうに』を映像化したもので、ちゃんとロマンティックな結末が用意されている。12年間もすれ違いなのにこうなっちゃったってイイよねえ、野球なら9回裏サヨナラホームランだ、現実はなかなか厳しくてそうはいかない。だからこそ、ハッピーエンドのラヴストーリーに清涼剤的満足感を求める人がいるのだろう。リリー・コリンズとサム・クラフリンが表現した男女像で想うのは、日々の小さなことに対する感じ方が似ているということは、人と人を決定的につなぐとても大事な要素だということ。ボケを言えばちゃんと絶妙のツッコミ入れてくれる、これ、実は距離感を縮めるんですよ~(大阪地区限定かもですが)。

(宮田 彩未)

公式サイト⇒ http://1cm-movie.com/

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