原題 | GONE GIRL |
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制作年・国 | 2014年 アメリカ |
上映時間 | 2時間28分 R15+ |
監督 | 監督:デヴィッド・フィンチャー(『セブン』『ファイト・クラブ』『パニック・ルーム』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ドラゴン・タトゥーの女』) 脚本:ギリアン・フリン |
出演 | ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ベリー、キャリー・クーン、キム・ディケンズ、他 |
公開日、上映劇場 | 2014年12月12日(金)~TOHOシネマズ(梅田・なんば・二条・西宮OS)、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、ほか全国ロードショー |
~完璧妻が仕掛ける危険なゲームの顛末とは?~
今最も信頼されているサスペンス・スリラー界の巨匠デヴィッド・フィンチャー監督の新作は、美人妻の失踪事件から始まる、複雑怪奇で危険な“夫婦げんか”が題材。夫婦の駆け引きの狡さもさることながら、危険な人物を美化したり罪もない人を犯人扱いしたりするマスコミの無責任さや、妻の正体を知った夫の行く末の方が余程恐ろしい。男女が憎み合う映画は数々あれど、これほど巧妙な策略に陥る主人公は初めて。結婚生活とは少々の難には目をつむり忍耐こそが円満の秘訣だと考えている筆者だが、このような世間を欺く罪深き配偶者と果たして一緒に暮らせるかどうか、考えただけでも恐くなる。
美人で聡明で優しくて、誰もが認める完璧な妻エイミー。両親が書いた小説のモデルだったエイミーは、子供の頃から誰もが知る「良い子」だった。大人になってハンサムなニックと出会い結婚。完璧なはずの結婚生活も、ニューヨークからニックの故郷ミズーリー州の田舎町へ引っ越してから徐々に変化していく。そして、5回目の結婚記念日の朝、エイミーは忽然と姿を消す。家の中の痕跡は誘拐か殺人を思わせるもので、警察の捜査開始とともに、有名なエイミーの失踪事件としてマスコミが大挙して押しかける。
デヴィッド・フィンチャー監督作に出演できるのならと、『Batman vs Superman』の撮影を延期させてまでも臨んだベン・アフレック。監督・主演作『アルゴ』でアカデミー賞作品賞を受賞して増々勢いに乗る彼が、妻を心配する同情をかう夫の顔と、身辺を暴露されても共感をよぶダメ夫ぶりを強調した賢い夫ニックを好演。さらに、巧妙な罠を仕掛けるずる賢い妻エイミーを演じたのは、イギリス出身のロザムンド・パイク。エイミーの目的のためなら手段を選ばない冷徹さが、お人形のようなスマした顔によく合っていた。
前半は、エイミーが書く日記に沿って二人のそれまでの関係がテンポよく綴られるが、あくまでエイミーの策略に都合のいいように展開される。後半は、殺人犯にされそうになったニックが、敏腕弁護士と共に疑惑を扇動するTV番組を逆手にとって逆襲に出る。そして、意外な展開を見せるラスト、逆転に次ぐ逆転の末、「してやられたり!」とニック以上に驚愕するに違いない。ああ、虚栄という鎧を着た自己チュー人間は恐ろしい!
(河田 真喜子)
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