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『ニューヨークの巴里夫(パリジャン)』

 
       

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作品データ
原題 Casse-tete chinois  
制作年・国 2013年 フランス・アメリカ・ベルギー 
上映時間 1時間57分
監督 セドリック・クラピッシュ
出演 ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、セシル・ドゥ・フランス、ケリー・ライリー、ブノワ・ジャコ他
公開日、上映劇場 2014年12月20日(土)~シネ・リーブル梅田、 12月27日(土)~京都シネマ、1月10日(土)~シネ・リーブル神戸にて公開

 

~人生の迷路にアタフタ!落着けなかった男の着地点とは?~

 

parijan-2.jpgシリーズものというと、第一作から観ていないと人物相関図がわかりづらいんじゃないかと感じて敬遠する人もいるだろうが、何十作にもわたるテレビドラマは別として、映画の場合、中途参入者にもスムーズに理解できるよう細心の気配りが為されている(動員数に関わるので)。本作は、『スパニッシュ・アパートメント』『ロシアン・ドールズ』に続く完結編だが、主人公のグザヴィエと彼の関係者がどんな過去を持って現在に至ったかを、手際よく示してくれるので、ご安心を。
 

第一作では25歳の恋多き青年だったグザヴィエだが、今や小説家として認められるようになり、妻のウェンディと二人の子供と共にパリで暮らしていた。日々は順調に進んでいるように見えたが、そこが“ハプニング男”のどうしようもない業。昔の留学仲間で今も友人関係にあるレズビアンのイザベルから精子提供をお願いされ、それが妻にバレてややこしい雲行きに。おまけに、ニューヨークの出張から帰ってきた妻から、好きな人ができたから子供を連れてニューヨークに移住したい、“あなたとはサヨナラ宣言”をされてしまったのだ。

parijan-3.jpg人生の危機、思わぬ落とし穴。しかし、グザヴィエはショックで頭を抱えつつも、パリでひとり引きこもったりはしない。突如引き裂かれてしまった愛する子供たちに対する心配事情もあり、思い切ってニューヨークへとやって来るのだ。それからも、次々に彼を襲うハプニング、フランスとアメリカのカルチャーギャップ、ひょんなことから現れいでたる恋の再燃…。“人生、捨てたもんじゃないね”と感じさせるハッピーな結末へ向けて、ユーモアたっぷりに、主人公と彼を取り巻く女性たちの生き方を鮮やかに見せてくれる。わたし的には、ニューヨークのチャイナタウンを舞台にしたすったもんだと、職務を全うするあまり石仏顔になってしまった移民局員が登場する場面が特に可笑しかった(ただ、移民へのこういう杓子定規な対応、それが“自由と平等の国・アメリカ”という旗印と全く相反するものであり、“アメリカン・ドリーム”がすべての人の前に開かれているわけではないことを付言しておきたい)。なにはともあれ、セドリック・クラピッシュ監督の、ラヴ・コメディにおけるセンスの良さ、その吸引力は光っている。

(宮田 彩未)

公式サイト⇒ http://www.nyparisian.ayapro.ne.jp/

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