原題 | Beauty and the Beast |
---|---|
制作年・国 | 2014年 フランス・ドイツ |
上映時間 | 1時間53分 |
監督 | 監督・脚本:クリストフ・ガンズ |
出演 | レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル、アンドレ・デュソリエ、エドゥアルド・ノリエガ |
公開日、上映劇場 | 2014年11月1日(土)~ TOHOシネマズ スカラ座、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸、他にて全国ロードショー |
~今までの“美女と野獣”より、もっとドラマチックで豪華絢爛な実写版映画の登場!~
2014年秋、私たちはフランスのクリストフ・ガンズ監督による新しい“美女と野獣”に出会う幸運に恵まれる。今まであまり語られることのなかった、野獣にされた経緯やベルの家族の性格などのキャラクターが深められ、野獣にかけられた魔法を解くベルの愛の強さが際立っている。さらに、時代設定をナポレオン帝政時代に始まりゴシック+ルネッサンスの時代へと遡ることにより、どんなおとぎ話より豪華絢爛な衣裳・美術・映像で彩られている。その優美さには心が奪われるようだ。
“美女と野獣”といえばディズニーアニメの傑作『美女と野獣』(91)が有名。この映画の楽曲を使ったミュージカルも大ヒットし、日本でも劇団四季のロングランヒット演目のひとつとなっている。古くはフランスの芸術家・ジャン・コクトーが監督した実写版『美女と野獣』(46)も忘れられない。欲深く野獣を追い詰める悪人と王子の二役を演じたジャン・マレーの優美さは時を経ても瞼に焼き付いている。第二次世界大戦直後にこのようなロマンチックなおとぎ話が作られたとは、戦争で荒廃した人心にとって奇跡のような映画となったにちがいない。
ディズニー版もコクトー版も、1740年にフランスのヴィルヌーヴ夫人が書いた原作を短く文庫本にした1756年のボーモン夫人版の物語をベースにされてきた。それをガンズ監督はヴィルヌーヴ夫人が最初に書いた原作をより詳しく掘り下げて、全く新しい『美女と野獣』を創り上げた。野獣の正体とは? ベルの何が野獣の心を捉えたのか? ベルは野獣のどこに惹かれていったのか? ――“美女と野獣”が意味する本当の愛の力を知ったとき、きっと心が澄み渡るような幸福感に包まれることだろう。
【STORY】
19世紀初め。船団を嵐で失い破産した父(アンドレ・デュソリエ)と2人の姉と3人の兄たちと共に田舎へ引っ越すことになったベル(レア・セドゥ)は、家族が意気消沈する中ひとり家族のために働いていた。ある日、遭難した船一隻が見つかったという報せを受け一家は大喜びする。街へと向かう父に、ドレスや宝石などのお土産を頼む姉たちに対し、ベルは薔薇の花一輪をお願いする。ところが、望みを賭けた船も兄たちが作った借金の形に取られ、失意の内に帰路についた父は、吹雪となり森で迷った末に古城に辿り着く。
父はそこに用意されていたご馳走を頬張り、娘たちが欲しがっていた財宝に手を付け、さらに庭の薔薇を手折ってしまう。次の瞬間、猛々しい声と共に現れた野獣に襲われ、「私の大切な薔薇を盗んだな!お前の命をもらう」と脅される。だが、1日だけの猶予をもらい帰宅した父は事情を家族に話すと、自分がせがんだ薔薇のせいで父の命が奪われることに責任を感じたベルは、父の身代わりに古城へと向かう。
古城に着いたベルは、用意されていた白のドレスに身を包みディナーの席に着く。そこに現れた野獣に恐れおののき死を覚悟するが、野獣は毎夜7時に必ずディナーを共にすることだけを要求。それから、ベルは眠りにつく度に不思議な夢を見て、かつての城が輝いていた頃の王子と王女の物語をたどることになる。野獣への恐怖心より不思議な夢の真意を確かめようとする好奇心の方が強くなり、2日目は緑のドレスを着て広大な城を探索するベル。3日目は青のドレスで……家族会いたさに城を抜け出したベルを必死で追いかける野獣だったが、翌日は堅い約束をして、鮮やかな赤のドレスで帰宅させる。
乱暴で荒々しい反面、ベルを心からいたわる優しさを見せたり、孤独な悲哀を滲ませたりする野獣に、ベルはいつしか興味を抱くようになる。そして、野獣は何者なのか? 森に眠る王女の墓は? 夢が導く真実とは? 謎がすべて解明された時、野獣に大きな危険が迫っていた……。
【CAST】
野獣にされた王子を演じたのは、豪快さと繊細さを併せ持つヴァンサン・カッセル(47歳)。『アパートメント』(96)で失踪した恋人を必死で探し求める悲愴な表情や、『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男』(08)という型破りな犯罪者の大胆さなど、まさしく、野獣にされるほどの罪深い顔と、真実の愛を求める悲哀に満ちた顔を併せ持つ俳優と言えよう。
一方のベル役は、『マリー・アントワネットに別れをつげて』(12)や『アデル、ブルーは熱い色』(13)で、しなやかな肢体とナイーヴな感情表現で控え目だが強いインパクトを示すレア・セドゥ(29歳) 。ルイ・ガレルと共演した『美しいひと』(08)で新鮮な魅力で注目されたが、その後もインディ系からハリウッド大作に至るまで、幅広い活躍を見せているフランス映画界きっての若手女優だ。今回レアのために特別に製作された豪華ドレスも、難なく着こなす優雅な風格を若いながらも持っている。フランスの大手映画会社の会長一家に生まれた育ちの良さと、そんな恵まれた境遇にもかかわらず自身の子供時代を「孤児のようだった」と述懐する辺りに、彼女のナイーヴさが隠されているようだ。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://beauty-beast.gaga.ne.jp
(C)2014 ESKWAD - PATHE PRODUCTION - TF1 FILMS PRODUCTION ACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH - 120 FILMS