原題 | Minuscule - La vallee des fourmis perdues |
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制作年・国 | 2013年 フランス |
上映時間 | 1時間29分 |
監督 | プロデューサー:フィリップ・デラリュー 企画・監督・脚本:エレーヌ・ジロー、トマス・ザボ 音楽:エルベ・ラヴァンディエ |
公開日、上映劇場 | 2014年10月18日(土)~イオンシネマ(茨木、りんくう泉南、久御山、加古川)ほか全国ロードショー(2D・3D) |
~小さいけど壮大なスケールで描く大いなる命への讃歌~
ミニスキュルとはフランス語で“ごく小さい”とか“微小の”という意味。その名の通り、これはごく小さい生き物たちの物語。
堂々の主役はてんとう虫!赤地に黒の斑点が愛らしい人気者だ。映画はほのぼのとしたピクニックの風景から始まる。人間たちが残していった食料をせっせと巣穴に運ぶ昆虫たち。ポテトチップやイチゴを運ぶ姿がユーモラスだ。小さな虫たちの姿は判然とせず、まるで食べ物が浮いているよう。クモにハエにいもむしもいる。最大の獲物をゲットしたのは、秩序だった動きが得意の黒アリ。そこへ群れからはぐれ、羽を負傷したてんとう虫が1匹迷い込む。はじめは隠れていたてんとう虫だったが、1匹の黒アリと意気投合(!?)隊列の一員となる。彼らは独特の周波数で意思の疎通をはかっているようだ。黒アリの巣は意外と遠い。途中、崖や川を超え、とかげの襲来もかわし、(これが、虫目線で見るとワニのような迫力!)何とかピンチをすりぬけたと思った矢先、赤アリの集団と出くわす。そこから、黒アリと赤アリの壮絶なバトルが繰り広げられる!
セリフは一切なし。画だけでストーリーを運び、ふつうのアニメ映画のように1匹1匹の虫に名前はない。しかし、これこそが映画の原点でもある・・・と思ったら、やっぱり!チャップリンや名作映画へのオマージュシーンがそこかしこに隠されているというから、映画ファンにはたまらない。その中には日本が誇るジブリ作品も。ぜひスクリーンで確かめてみてほしい。
たしか、枕草子で“いとをかし”(愛らしいもの)として、“ちいさきもの”という一節が出てくるが、古今東西、小さきものは心の柔らかい場所をくすぐるもの。フランスでテレビシリーズとして始まったこの作品、たちまち100ヶ国で人気を博し、この度の映画化が実現した。
人家へも自由に行き来できる虫たちは人間の小さき道具をこんなものまで!というぐらい備蓄しており、ここぞというときにその威力を発揮させる。そのアイデアがまた面白いのだ。普段、舗装された道路しか歩かず、森のなかに分け入ることもないアナタ、スクリーンのなかでいっとき、虫たちの世界に足を踏み入れ、ミクロの世界を旅してみてはいかがですか?実写との融合で雄大な景色も楽しめる超大作の登場です。
(山口 順子)
公式サイト⇒ http://minuscule.jp/
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