『サンシャイン♪ 歌声が響く街』
原題 | Sunshine on Leith |
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制作年・国 | 2013年 イギリス |
上映時間 | 1時間40分 |
監督 | デクスター・フレッチャー |
出演 | ピーター・ミュラン『戦火の馬』『トレインスポッティング』、ジェーン・ホロックス『リトル・ヴォイス』、ジョージ・マッケイ『わたしは生きていける』、ケヴィン・ガスリー、アントニア・トーマス、フレイア・メーバー、ジェイソン・フレミング『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、ポール・ブラニガン他 |
公開日、上映劇場 | 2014年8月1日(金・映画の日)~ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 ほか全国ロードショー |
~信頼の危機に陥った家族と恋人たち、それぞれの想いを歌にのせて~
イギリスで大ヒットしたミュージカルの映画版で、家族のきずな、恋人たちのすったもんだ、大きな一歩を必要とする自分の夢と出会った女性の葛藤などを、親しみやすい語り口で描いている。映画は、アフガニスタンで兵役に就いている青年たちの姿で始まり、地雷の爆発から一転、物語の舞台となるスコットランドのリースの街へ。生還した青年兵士は、結婚25周年を迎えるロブとジーンのもとに戻ってきた。おだやかで仲の良い夫婦だが、銀婚式パーティの日に“ある秘密”が発覚し、思いも寄らない出来事に。その余波なのか、彼らを取り巻く若き恋人たちにもトラブルが噴出するが…。
ミュージカルはやっぱりハッピーエンドでなきゃ、というお決まりどおり、群衆が歌い踊るラストシーンで観る者の気持ちを高揚させる。ここで歌われるのが、ジョニー・デップ主演の『妹の恋人』ほか映画ではけっこう使われている『I’m Gonna Be(500Miles)』で、スコットランドの人気兄弟バンド、プロクレイマーズの曲だ。もともと舞台版も彼らの名曲で成り立っており、きれいなメロディラインが物語の光と影を浮き立たせている。映画のタッチとしては、スタイリッシュなミュージカルとは言い難いが、役者の魅力が際立ち、普遍的な“愛”のテーマで爽やかな後味を残す。歌唱力バツグンのジェーン・ホロックスやアントニア・トーマスには魅了されるが、渋いダミ声のピーター・ミュランもイイ!
家族や恋人同士が和解し、お互いを認め合うきっかけがわりと単純ではあるけれど、これが現実なのではないか、と思ったりする。「絶対、許せない!」ということが起きたとして、「大切な相手を失っても仕方ない、絶対許せないんだから…」ということはそうあるわけではない。この一線を越えてしまう人は、きっと人生を狂わせてしまうんだろう。「良かった、ハッピーエンドで」と思えるような人生の終わり方をしたいな、などとちらりと感じたりもしたのだった。
(宮田 彩未)
公式サイト⇒ http://sunshine.gaga.ne.jp/
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