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『GODZILLA ゴジラ』

 
       

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作品データ
原題 GODZILLA
制作年・国 2014年 アメリカ 
上映時間 2時間4分
監督 ギャレス・エドワーズ
出演 アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、ブライアン・クランストン他
公開日、上映劇場 2014年7月25日(金)~丸の内ピカデリー、新宿バルト9、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、OSシネマズ神戸ハーバーランド、TOHOシネマズ二条、MOVIX京都他全国拡大ロードショー ※6月7日(土)~『ゴジラ』(60周年記念デジタルリマスター版)、全国東宝系劇場にて公開中
 

~日本映画界の至宝怪獣。還暦を迎え改めて問う「ゴジラとは?」~

 

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満を持して繰り出されるクライマックスでのゴジラの雄叫びは、その波動を全身で受けているようなライブ感があり、全身に戦慄が走った。日本だけでなく、世界中にファンを持ち、54年に『ゴジラ』が公開されてから日本では計28作、ハリウッドでも既にリメイクされ、日本の至宝怪獣ともいえるゴジラ。今年還暦を迎えるゴジラを再リメイクしたのは、長編2作目にして抜擢された新鋭、ギャレス・エドワーズ監督だ。怪獣映画の金字塔と言われている1作目の『ゴジラ』の精神を踏襲し、現在の私たちに改めて「ゴジラとは何者なのか」を問いかける。ハリウッドが本気でゴジラの世界観に挑むと、こんなにもパワフルでリアルなものなのか。驚きと感動に満ちることだろう。
 

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現在公開中の『ゴジラ』(60周年記念デジタルリマスター版)では、戦後10年足らずの当時、広島原爆やビキニ島水爆実験など人間が自然界に対して犯した大罪をゴジラが具現化しているように見えた。単なる怪獣映画に留まらず、非常に社会的な深いメッセージを秘め、人間への警告を込めた、むしろ怒りに満ちた映画と言っていいだろう。本作でもオープニングから原爆や水爆の映像が流れ、クレジットは一部白塗りして事実隠蔽をイメージさせる。物語もフィリピンの炭鉱で放射性物質と巨大な化石跡が発見されたり、日本の原子力発電所が謎の振動に襲われ壊滅的被害を受けるなど、現代でも十分起こりうるシチュエーションが盛り込まれ、リアルな危機感を煽られる。また『ゴジラ』で物語の鍵を握る芹沢博士と同名の博士役を渡辺謙が熱演。広島で被災した家族の形見の時計を肌身離さず持ち、討伐に燃える米軍にゴジラが何者なのか、ゴジラの目的を伝える重要な役割を果たすのだ。
 

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後半はまさにディザスター映画の様相を呈し、津波や破壊の数々に人間はただ逃げるしかない。人間の無力さをまざまざと見せつけられる。その迫力はゴジラ史上随一だ。そのパニック状況の中、繰り広げられる闘いは単に対ゴジラだけではなく生き延びるための人間たちの闘い、愛する家族を守るための闘いでもある。そんな個のドラマの中で輝きを放つのが、『キック・アス』シリーズで人気のアーロン・テイラー=ジョンソンだ。家族を守るため、国を守るため、最後の最後まで諦めずに任務を遂行する軍人役を真っ直ぐに演じている。ゴジラは敵なのか、味方なのか、もしくは神のような存在なのか。ギャレス・エドワーズ監督は、謎めいたゴジラを見事に甦らせた。最後に一言、しびれるぜ、ゴジラ!!!
(江口由美)
 
(C) 2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC