『ディス/コネクト』
原題 | DISCONNECT |
---|---|
制作年・国 | 2013年 アメリカ |
上映時間 | 1時間55分 PG12 |
監督 | 監督:ヘンリー=アレックス・ルビン 脚本:アンドリュー・スターン |
出演 | ①【ボイド家(父:ジェイソン・ベイトマン、母:ホープ・デイヴィス、息子:ジョナ・ボボ、娘:ヘイリー・ラム)】 ②【ディクソン家(父:フランク・グリロ、息子:コリン・フォード)】 ③【ハル夫婦(妻:ポーラ・パットン、夫:アレキサンダー・スカルスガルト)、妻のチャット相手:ミカエル・ニクヴィスト】 ④【レポーター:アンドレア・ライズブロー、少年:マックス・シエリオット】 |
公開日、上映劇場 | 2014年5月24日(土)~新宿バトル9、梅田ブルク7、シネマート心斎橋、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸 ほか全国ロードショー |
~今こそ人と向き合おう! 本当に大切な人は身近にいる~
SNS利用が当たり前となっている今、自分の行動や考えを平気で公表している人が多い。ネット上で炎上しては自らの立場を悪くしたり、最近ではリベンジポルノなるものも流行ったりしているとか。レストランやカフェなどでカシャカシャ写真撮っている光景をよく見かける。情報発信というより自分のプライバシーを無防備に公表しているだけのような、その後の影響力を考えると恐ろしく感じるのは筆者だけだろうか。
『ディス/コネクト』、このタイトルが意味するように、そばにいる人ともっと触れ合って繋がりたいのに意思疎通がとれない。そんな孤独や悲しみを癒すように、ネット上だけの繋がりに救いを求めてしまう人々。毎日のようにニュースに登場するようなSNSによる問題を、3つのケースで巧みに物語っている、実にタイムリーな作品だ。
ロバート・アルトマン以来アメリカ映画が得意としてきた群像劇だが、『マグノリア』や『クラッシュ』のように、一見無関係のような物語が同時進行し、最後どこかで繋がってくる。そして、それまでの緊張が爆発するクライマックスでは、私たちの想像を超える光景を目撃することになる。そこに、希望はあるのか?
本作のような不幸な事例は決して他人事ではない。あなたの、あるいは子供たちの軽率なワンクリックで、人生を狂わせかねないような事態に陥ってしまうことを、改めて認識すべきだろう。是非、親子で見て頂きたい作品です。
【STORY】
ボイド家の父親リッチは多忙な弁護士で、家族とゆっくり会話する暇もない。ハイスクールに通う娘と息子がいるが、二人とも健康で問題なく暮らしていた。ところが、ある日息子のベンが自分の部屋で自殺を謀る。命は取り留めたものの、意識不明の重体。いったい息子に何があったのか?自殺の原因を調べながら、初めて息子や家族と向き合うリッチ。
ベンは学校でも目立たず友達もいないナイーヴな少年だった。たまたまそんなベンを疎ましく思った同級生のジェイソンが、友達のパソコンを使ってベンに嫌がらせをする。ジェイソンの父親マイクは元警官で、ネット犯罪の私立探偵をしている。妻を亡くしてからジェイソンと二人暮らし。息子にはネット犯罪に巻き込まれないようパソコンの使用を厳しく制限していたが、まさかそんなことをしているとはつゆ知らず。
そんなマイクは、ネットによるミキシングで預貯金を奪われた若い夫婦から捜査を頼まれる。幼い子供を亡くしたシンディとデレックはその悲しみから立ち直れず、いつしか心も遠ざかっていた。シンディは夫に言えない心の内をネットで知り合った男性に打ち明けていたのだ。その男性が犯人かも知れないという未確認情報だけで、夫婦は男性の所へ行き証拠を掴もうとする。
未成年者によるネットポルノの実態を調査中のTVレポーターのニーナは、カイルという少年のサイトに興味を持つ。カイルの信頼を得ながら、彼が所属するネットポルノの実態を明らかにする。そのレポートは、ニーナのキャリアをアップさせると同時に、FBIの捜査対象となってしまい、捜査協力の依頼がくる。カイルの信頼を裏切りたくないニーナ。止むに止まれずとった行動とは?
本当の心の内は、他人の方が話しやすいのかもしれない。ジェイソンがベンの父親とメールを交わしながら父親の心情を理解したり、シンディのように見知らぬ男性と悲しみを共有することで癒されたりと、家族には直接言えないこともあるだろう。だが、それは家族にこそ話すべきことなのだ。この映画を見て、向き合う相手が間違っている、とつくづく思った。悩みを抱えたら、ネット上で吐露する前に、勇気を出して自分の思いの内を家族に打ち明けてみよう。誰より一番心配してくれるのは、家族なんだから。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://dis-connect.jp/
(C)DISCONNECT, LLC