『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
原題 | Captain America: The Winter Soldier |
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制作年・国 | 2014年製作 アメリカ |
上映時間 | 2時間16分 |
監督 | アンソニー AND ジョー・ルッソ |
出演 | クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、サミュエル・L. ジャクソン、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、ロバート・レッドフォード |
公開日、上映劇場 | 2014年4月19日(土)~大阪ステーションシティシネマ、ほか全国で2D/3D同時ロードショー |
~「アベンジャーズ」シリーズの肝を握る1作~
アメコミ原作映画というのは、今やハリウッド映画の全世界的ヒット方程式になっている。最近は日本での特大洋画ヒット作があまりなく、21世紀に入ってからヒットしていない状況が続いている。しかし、そんな中でも、このアメコミものに加え、ディズニー・アニメなどは以前と同じくらいに、大ヒットしている。
この「アベンジャーズ」シリーズは、ディズニー製作。加えて「スター・ウォーズ」の新作も、ディズニーが製作し世界配給するとあって楽しみだ。6大ハリウッド映画会社の中で、なぜディズニーだけが断トツにヒットするのか? その答えはアニメ映画は日本で一番ヒットするジブリスタジオとのコラボがあるが、他のポイントは、かつて日本で大ヒットしていた時のテイストを、全面的にフィーチャーしたところにあるのではないだろうか。
そのひとつは、間違いなくアクションだ。アクションの凄まじさこそハリウッドのお家芸ともいえる。本作はシリーズ化されているが、ここでは、カーチェイス、空中戦、銃撃戦など、かつてのハリウッド映画のアクションを凌駕するノリで、アクション・シークエンスの造形に挑んでいる。
さらに、本作はアメコミ・ヒーロー映画でも、集団系の群像劇へと特化している。「スーパーマン」「バットマン」「スパイダーマン」などとくれば、ソロ・ヒーローものだが、本作シリーズは集団系でやってみて、いろんなヒーローを作り、多彩なる正義のヒロイズムを見せていくところに妙味がある。「アベンジャーズ」の大ヒットがそのことを示している。そして、本作はいわゆる「アベンジャーズ」の、スピンオフ系のノリではあるが、今回は3人に焦点が当てられた。チーム・リーダー役の、サミュエル・L.ジャクソン。激しいカーチェイスで、彼が死んでしまうというサプライズが前半にあるが、このエピソードは、本作一番のポイント・ゲッターになっている。
氷漬けから再生した、キャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンス。もちろん、彼が本作の主役であり、楯を使ったオリジナル・アクションに魅せられる。けれども、盟友であったセバスチャン・スタンが蘇り、2人の対決が大きな見どころとなる。しかも、スタンは記憶を消されているので、キャプテン・アメリカのことが分からない。この2人の因縁は、今後のシリーズの核になる。
さらに、もう1人のブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソン。「キル・ビル」のユマ・サーマンや、「バイオハザード」のミラ・ジョヴォヴィッチなどに負けないような、ヒロイン・アクションの粋を見せてくれる。御大ロバート・レッドフォードの、悪役演技ぶりにも注目。
“スパイやヒーローはもう要らない”とか、“恐怖そのものへと肉迫する”という、次へのつなぎ部は、「スター・ウォーズ」のダークな流れへと通じる不穏なところがあるかもしれない。しかし、やっぱり最後はハッピー・エンドなんだろうな、おそらく…。
(宮城 正樹)
公式サイト⇒ http://www.cap2.jp
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