『ウォルト・ディズニーの約束』
原題 | Saving Mr.Banks |
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制作年・国 | 2013年 アメリカ |
上映時間 | 2時間6分 |
監督 | ジョン・リー・ハンコック |
出演 | トム・ハンクス、エマ・トンプソン、ポール・ジアマッティ、コリン・ファレル、ジェイソン・シュワルツマン、ルース・ウィルソン、アニー・ローズ・バックリー他 |
公開日、上映劇場 | 2014年3月21日(金・祝)~大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、ほか全国ロードショー |
~原作者の心に飛び込んでこそ実現した、あの名画の裏話~
どんな分野でも、クリエイティヴな作品を共同で作ろうとすれば、どうしてもお互いの衝突は避けられない。そこから昇華されるものが確かにあり、さらに切磋琢磨されてこそ、真に優れた作品が生まれてくる。あのジュリー・アンドリュースが主演した『メリー・ポピンズ』製作までの裏舞台を描いた本作は、もともと映画化を良しとしない原作者のP.L.トラヴァースに対し、粘り強い交渉と歩み寄りを重ねたウォルト・ディズニーの関係性に迫る。その鍵となった“約束”は、ちょっぴりほろっとさせられる甘酸っぱさで観る者を包み込む。
ウォルト・ディズニーは、1940年代の初めに娘が読んでいた一冊の本に惹かれ、ぜひとも映画化したいとトラヴァースに提案するが、なかなかうんとは言ってくれない。それから20年もの長い歳月がたち、一つのビッグチャンスがめぐってくる。経済的な理由もあって、ディズニー側の話を聞くためにトラヴァースがロサンゼルスにやって来たのだ。しかしながら、ミュージカルやアニメのアイデアにダメ出しを続けるガンコ女史・トラヴァースに周囲はお手上げ。彼女はいったい何にこだわっているのか。
映画は、この『メリー・ポピンズ』製作に向けての波乱万丈な裏舞台を語りつつ、少女時代のトラヴァースと父親のエピソードを濃密に描いていく。大好きだった父親とのふれあいと、突然やって来た哀しい別れ。そこから浮かび上がってくるのは、いまだ父親の面影を秘かに抱きしめている少女の姿。ある種エレクトラ・コンプレックスなんだろうと思うのだが、お父さんに対して何かしらの想いを持ち続けているひとなら、共感し、涙腺が弱くなることはまあ間違いない。
そういうトラヴァースを演じているのが、知が勝っているとよく言われるエマ・トンプソン。ガンコな鎧を身にまといながら、引きずっているトラウマの影に気づき始める女性作家を鮮烈に演じ、ディズニー役のトム・ハンクスとの競演は見応え十分である。少女時代のトラヴァースを演じたアニー・ローズ・バックリーもキュート!
(宮田 彩未)
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