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『FLY ME TO MINAMI 恋するミナミ』

 
       

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作品データ
制作年・国 2013年 日本=シンガポール 
上映時間 1時間43分
監督 リム・カーワイ 
出演 小橋賢児、ペク・ソルア、シェリーン・ウォン、竹財輝之助、石村友見他
公開日、上映劇場 2013年12月14日(金)~シネ・ヌーヴォ、第七藝術劇場、元町映画館、元・立誠小学校・特設シアター、12月21日(土)~オーディトリウム渋谷他全国順次公開


~大人の恋は大阪ミナミから!4か国語が入り混じる無国籍ラブストーリー~


minami-2.jpg くいだおれ人形や、派手なグリコのイルミネーション、通天閣・・・と大阪ミナミの一般的なイメージは相当コテコテだが、マレーシア出身のシネマ・ドリフター(映画流れ者)、リム・カーワイ監督の手にかかれば、大人のファンタスティックな恋の舞台に大変身!香港、韓国ソウル、そして大阪ミナミとアジアの三大都市を交差させながら描くストーリーは、広東語、韓国語、英語、そして関西弁が入り混じり、異文化コミュニケーションのドキドキワクワク感を肌で感じるような作品にもなっている。13年3月に行われた第8回大阪アジアン映画祭でワールドプレミア上映された感動から9か月、いよいよ関西先行公開される大阪発大人のラブストーリーは、クリスマスに恋人と観る映画としても断然おススメしたい。

 

 香港のファッション雑誌編集者・シェリーン(シェリーン・ウォン)は、雑誌の企画で大阪ミナミを突然取材することになり、カメラマンを現地調達しようとするが、日本人通訳ナオミ(石村友見)に頼んで連れてきてもらったのは、ナオミの弟で就活中のタツヤ(小橋賢児)だった。一方、キャビンアテンダントのソルア(ペク・ソルア)は在日韓国人で大阪のコリアンタウンで雑貨屋を営んでいる恋人シンスケ(竹財輝之助)とクリスマスを過ごそうとミナミにやってくるが、妻子あるシンスケとの仲に行き詰まりを感じていく。

 

minami-3.jpg シェリーンが取材する店として、心斎橋のオシャレなメガネ店やアートギャラリーなどが続々登場。バーやカフェなど、観光客用ではない普段使いのミナミを舞台に、英語が苦手のタツヤがシェリーンと簡単な英語で一生懸命コミュニケーションを取ろうと頑張っている姿がなんともかわいらしい。本作が映画デビューとなる元ミスマレーシアのスーパーモデル、シェリーン・ウォンが、会社で挫折しそうなキャリアウーマンの強さと寂しさをさりげなく表現。異国で年を越すことになったシェリーンがタツヤからの連絡がくることを信じながら、一人で元旦のミナミをあてもなく散策するシーンは大人の切なさが滲む。クライマックスで登場する御堂筋イルミネーションは、日々通勤で目にしている人も多い大阪の冬のシンボル。きっと映画で登場するのは本作が初めてだろう。そんな今の大阪が映り込んでいることが、本作の大きな魅力なのだ。

 

minami-4.jpg 香港、韓国でもロケを敢行し、まさに「一粒で三度美味しい」欲張り感もたまらない。国を超えて出会う本作の主人公たちのように、国を超えて作られる映画ならではの面白さや、新鮮さを肌で感じることができる新世代ムービー。orange pecoeのナガシマトモコがJAZZIDA GRANDE feat.ナガシマトモコとして参加した主題歌「FLY ME TO MINAMI」もジャズのアレンジが効いて心地よかった。(江口由美)

公式サイト⇒http://flyme2minami.com/
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