『ウォールフラワー』
原題 | The Perks of Being a Wallflower |
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制作年・国 | 2012年 アメリカ |
上映時間 | 1時間43分 |
原作 | スティーブン・チョボスキー |
監督 | 脚本・監督: スティーブン・チョボスキー |
出演 | ローガン・ラーマン/エマ・ワトソン/エズラ・ミラー |
公開日、上映劇場 | 2013年11月22日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラスト渋谷、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ二条、OSシネマズ神戸ハーバーランド、TOHOシネマズ西宮OS 他全国ロードショー |
~“壁の花”に輝きをもたらした最高の先輩たち~
アメリカン青春小説の金字塔と称賛される『ウォールフラワー』を、原作者のスティーブン・チョボスキー自らが監督して映画化。1991年のピッツバーグを舞台に、誰からも声を掛けられない正に“壁の花”状態の高校1年生のチャーリーが、ふたりの上級生に出会って大きく成長する姿を繊細に切り取った感動作である。
1980年代のアメリカの青春映画を彷彿とさせるようだ。例えば、ジョン・ヒューズが手掛けた作品、『ブレックファスト・クラブ』や『ときめきサイエンス』『プリティ・イン・ピンク』『フェリスはある朝突然に』等々、ハイスクールを舞台にした懐かしい映画に似ている。原作者のスティーブン・チョボスキーも丁度その頃ハイスクール時代を送っている。大人になりかけの不安や期待や戸惑いなどが混在する思春期の心理が等身大に描かれ、世代を超えて共感を呼ぶ。アメリカンハイスクールもののドラマは、その後『ビバリーヒルズ高校白書』という超ロングランTVドラマへと引き継がれ、近年では『glee』が大ヒットし、ティーンエイジャーのみならず大人もはまる人気ぶりだ。
【STORY】
高校1年生のチャーリー(ローガン・ラーマン)は、中学生の時親友が自殺してしまい、誰からも声を掛けてもらえず孤立していた。それでも好きな音楽の中に没頭して、家庭でも学校でも外界からシャットアウトする日々を送っていた。おおよそ体育会系の部活バリバリ組とは程遠い存在だった彼が、ある日アメフトの練習を見に行き、同じく見学組のサム(エマ・ワトソン)とパトリック(エズラ・ミラー)に出会う。
両親の再婚で兄妹となった二人は、校内でもとても目立つ存在だったが、チャーリーに気さくに声を掛けてくれた。サムはとびきりの美人で成績も良く、パトリックはハンサムで陽気な個性派で、いつも注目の的。一見チャーリーとは対称的な二人だが、オタクっぽい音楽の趣味で意気投合し、校内の格差社会に抵抗していた。それからというもの、チャーリーは殻を破り解放的な生活を送るようになる。初めて経験する2学年先輩たちとの友情、パーティやドラッグに夜のドライブ、そして恋……ナイーブなチャーリーには眩し過ぎる日々だったが、忌まわしい過去が再びチャーリーを孤立させる。
チャーリーを演じたのは、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』シリーズや『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』のローガン・ラーマン。チャーリーが密かに恋心を寄せるサムには、『ハリー・ポッター』シリーズや、最近では『ブリングリング』『Noah』等ハリウッド作に立て続けに出演しているエマ・ワトソン。そして、パトリックには『少年は残酷な弓を射る』で衝撃的な役で強烈な印象を残したエズラ・ミラー。繊細さを内包した思春期の危うさは、はるか昔に卒業した大人にとっても苦くて切ない想いが甦ってくるようだ。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://wallflower.gaga.ne.jp/
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