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『マラヴィータ』

 
       

Malavita-550.jpg『マラヴィータ』

       
作品データ
原題 MALAVITA 
制作年・国 2013年 アメリカ・フランス 
上映時間 1時間51分
監督 リュック・ベッソン
出演 ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ、ディアナ・アグロン、ジョン・ディレオ、ジミー・パルンボ、ドメニク・ランバルドッツィ
公開日、上映劇場 2013年11月15日(金)~TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)他全国ロードショー

 


~過激でアブない“ファミリー”の抱腹絶倒バトル劇~


 

Malavita-RDN.jpg 監督リュック・ベッソン、主演ロバート・デ・ニーロ、製作総指揮にマーティン・スコセッシを迎え…と聞いただけで、胸が躍るではないか!それに、何やらキナ臭いにおいがする…と思ったのなら、大正解!マフィアがらみのバトル・アクション、ウィットも効いた極上のエンターテインメントたっぷりの新作がこれだ。

 舞台は、ニューヨークか、シチリアかといえば、そうではなく、なんとも田舎っぽいフランスのノルマンディー地方。そこに、まるで夜逃げしてきたかのようにある家族が住みつく。実は、家長のフレッドは元マフィアの親分で、別組織のボスを密告したため、命を狙われ、FBIによる証人保護プログラムの下にある。問題アリなのはフレッドだけでない。妻のマギーはキレると放火魔となり、美形の娘ベルもこれまたキレると男顔負けのバイオレンスをお見舞いする。頭の回転が速い息子ウォレンも、父親譲りの過激さを隠し持ち、そんな家族が平穏無事な潜伏生活を送れるはずもない。やがてひょんなことから彼らの居所を突き止めたマフィアのボスは、暗殺者軍団を差し向け、対決の時がやって来る。

 あちらこちらに散りばめられた笑いのエッセンス。例えば、アメリカとフランスの食文化をはじめとする違いと、それに放たれるアイロニーの矢、マーティン・スコセッシ監督でデ・ニーロが出演した名作『グッドフェローズ』を出してくる大胆さには、思わず手を叩きたくなっちゃうおかしさだ。

Malavita-2.jpg つくづく、デ・ニーロの演技の幅の広さを感じさせるし、ファイファーの意外な役どころも眼を見張るほどに楽しくさせてくれる。これに対し、渋いコントラストで魅せるのは、FB I捜査官役ジョーンズの抑えた演技だ。この捜査官が「スタン」という名であることと、暗殺者集団の笑えるほどの重装備は、ベッソンが監督した『レオン』を思い起こさせる。ゲイリー・オールドマンが独特の狂的演技を披露して一躍注目されたが、その役名も「スタン」だったことを思うと、ここにも映画好きのツボを押すスパイスが潜んでいる。

(宮田 彩未)

公式サイト⇒ http://www.malavita.jp/

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