『パッション』
原題 | PASSION |
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制作年・国 | 2012年 フランス・ドイツ |
上映時間 | 1時間41分 |
監督 | ブライアン・デ・パルマ |
出演 | レイチェル・マクアダムス、ノオミ・ラパス、カロリーネ・ヘルフルト、ポール・アンダーソン |
公開日、上映劇場 | 2013年10月4日(土)~TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)他全国ロードショー |
~女は怖いよ~!って思わず叫びたくなる…だって怖 いもの~
赤と黒のコントラストが目に残るプレスシートや宣伝チラシは、一瞬、ペドロ・アルモドバル監督作品かと思うほど鮮烈!後で、アルモドバル監督とタッグを組んできたホセ・ルイス・アルカイネが撮影監督だと知り、大いに納得した。
女同士の関係性は、いったんほころぶと、実に大変だということを何度か経験してきたが、なぜ大変なのかというと、妙なライバル意識、男性あるいはキャリアをめぐってのジェラシーが陰湿に絡み合うからだ。むろん、オトコだってそういう陰湿さとはけして無関係ではないのだが、なぜか女同士は長引く…ような気がして仕方がない。
さて、ブライアン・デ・パルマ監督がえぐって見せたのは、女と女の間に生じた深淵である。ほんのわずかの傷口だと思ったものが、いつの間にか内へ内へと向かっていき、気づけば、どうにもこうにも回復不能な致命傷となる恐ろしさだ。ここに2人の女がいる。著名広告代理店の重役レイチェルと、その部下イザベルだ。夜を徹して新製品のプロモーションビデオを制作したイザベルの尽力により、クライアントへのプレゼンテーションはみごと成功するが、レイチェルはそれを自分の手柄にしてしまう。これが、2人の間に開いた最初の傷口である。
まるでレズ的な言動をイザベルに対して示すかと思えば、皆の前でイザベルの醜態をビデオに映したりと、レイチェルの不可解なやり口がイザベルを翻弄する。セクハラとパワハラのダブル攻撃で、どんどんイザベルは追いつめられ、身も心もだんだんとすりきれていくのだ。そうして、或る夜、ついに殺人事件が発生するのだが、映像を2分割にして彼女2人を映す場面の緊張感!しかも、その後のストーリーには第3の女も濃密に関わってきて、いったいどうなるのかとハラハラさせられ、思わぬどんでん返しに、サスペンス好きならついにんまりしてしまう。ネタばらしはできないけど、3人の女はすべて怖い、とだけ言っておこう。
(宮田彩未)
公式サイト⇒ http://passion-movie.jp/#footer
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