『マリリン・モンロー 瞳の中の秘密』
原題 | LOVE,MARILYN |
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制作年・国 | 2013年 アメリカ・フランス |
上映時間 | 1時間48分 |
監督 | リズ・ガルバス |
出演 | マリリン・モンロー/ユマ・サーマン/グレン・クローズ/マリサ・トメイ/リンジー・ローハン/エイドリアン・ブロディ/エレン・バースティン/ベン・フォスター/ポール・ジアマッティ/エヴァン・レイチェル・ウッド /F・マーレイ・エイブラハム/エリザベス・バンクス/ホープ・デイヴィス/ヴィオラ・デイヴィス/ジェニファー・イーリー/ジャック・ヒューストン/スティーヴン・ラング/ジャネット・マクティア/ジェレミー・ピヴェン/オリヴァー・プラット/デヴィッド・ストラザーン/リリ・テイラー |
公開日、上映劇場 | 2013年10月5日(土)~新宿ピカデリーほかにて公開 |
~俳優たちの語りで核心に迫る、マリリンの真の姿とは?~
“アメリカのセックス・シンボル”とされたマリリン・モンローだが、男性のみならず、女性にも根強いファンがいる。色っぽさと可愛らしさの共存だとか、いまだ謎に包まれた突然死によるミステリアスな影だとか…そういう要素が、彼女を伝説の人にしているのだろう。そういえば、映画『ぼくの美しい人だから』(1990年、ルイス・マンド―キ監督)の中でも、スーザン・サランドン演じるヒロインの部屋には、マリリンのポスターがべたべたと飾られてて、「彼女って、最高!」なんてことをヒロインは口走っていたように思う。
1962年の死去から約半世紀たった今、未公開だったメモや詩、手紙をもとに制作されたドキュメンタリーがこれだ。単に、古い映像をつなぎ合わせるのでなく、年齢さまざまな女優たちがマリリンの心の声を代弁し、マリリンと関わった男たちになり替わって男優たちが当時の諸事情を語る。昨今、舞台劇でも“リーディング”と呼ばれるスタイルが多く採用されているが、その映画版ともいえる、
幼少時代の苦労、デビューしてからの人知れぬ向上心と葛藤、ニューヨーク・ヤンキースのジョー・ディマジオ選手や劇作家アーサー・ミラーとの結婚、そして破局、映画『マリリン 7日間の恋』(2011年、サイモン・カーティス監督)でも描かれていたローレンス・オリヴィエとのすったもんだの共演など、映画界の裏話としてよく知られたものもあれば、へえ!と驚くこともあって実に興味深い。
20世紀フォックスが“綺麗だけど、頭のゆるいブロンド娘”の役ばかりを彼女にあてがったこと、夫だったアーサー・ミラーが単なる自分の飾りとして彼女を見ていたことなど(これを観る限り、アーサー・ミラーって、なんて嫌な奴なんだ!と思う女性はきっと多いはず)、世間が自分を見る目に対して、それに応えなければ、でも自分自身は違うんだと、声にならぬ声を叫んでいたマリリンの姿が、哀しげにゆっくりと立ち上がっていくようだ。
しかしながら、本当のマリリン・モンロー、いや、ノーマ・ジーン・モーテンセンとはどんな人だったのか。ここに答えはないけれど、ますます関心が深まっていく。
(宮田彩未)
公式サイト⇒ http://marilyn-movie.jp/
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