『スマイル、アゲイン』
原題 | Playing for Keeps |
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制作年・国 | 2012年 アメリカ |
上映時間 | 1時間46分 |
監督 | ガブリエレ・ムッチーノ |
出演 | ジェラルド・バトラー、ジェシカ・ビール、ユマ・サーマン、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、デニス・クエイド、ノア・ロマックス |
公開日、上映劇場 | 2013年8月17日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー |
~どんな親でも、実の親がいいに決まってる! ダメ親父の再生をかけた奮闘物語~
ヨーロッパサッカー界でスターだったジョージ・ドライヤー(ジェラルド・バトラー)は、自分を見失い放蕩の末に家族と離別。引退後、経済的にも困窮する中、別れた妻子を取り戻そうと新天地アメリカへとやってくる。だが、元妻のステイシー(ジェシカ・ビール)は既に他の男との結婚式を控えけんもほろろの状態。かろうじて息子のルイス(ノア・ロマックス)と時々会えることになる。ステイシーにとって今さらヨリを戻そうとやって来られても迷惑な話だが、子供にとっては実の父親、会わせない訳にはいかない。
目指すスポーツコメンテーターの職に就けないままルイスが通うサッカーチームのコーチとなったジョージ。父兄たちに好奇の目で見られ、中には誘惑してくる母親たちも出現。モテる男はつらいね~、誘惑をはね除けるのもひと苦労!? 父親が憧れのサッカー選手だったなんて、息子にとっては最高に嬉しいはず。だが、父親として信頼を取り戻すのはそう単純ではない。家族だからこそ抱くわだかまりもあるだろう。果たして、ジョージの気持ちは通じるのか?
いつも逞しく男らしい役柄が多いジェラルド・バトラーが、妻子の信頼を取り戻そうと奮闘する落ちぶれた元サッカー選手を演じて、実に微笑ましい。天国と地獄をみた男が初めて気付く家族のありがたみを、ウィル・スミス親子が世界中を泣かせた感動作『幸せのちから』(2006年)を監督したイタリアのガブリエレ・ムッチーノ監督がきめ細やかに表現。ユーモアたっぷりで温もりのあるドラマとなっている。現在公開中の《VIVA!イタリア》の『最後のキス』(2001年)でも、人生の転換期を迎えてあたふたする大人たちを情感豊かに描いている。
人生、生きてさえいれば、何度でもやり直しはできる!――そんな希望を抱かせてくれる映画作りに定評のあるガブリエレ・ムッチーノ監督だからこそ、ユマ・サーマンやキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、デニス・クエイドなどのビッグネームの俳優たちが集い、作品をより魅力的なものにしている。また、『幸せのちから』でジェイデン・スミスの才能を引き出したように、今回は息子役のノア・ロマックスの「子供が持つ美しさ」を掬い取った監督の手腕は、ドライになりがちな現代の家族像が多い中、切っても切れない親子の熱い絆を感じさせてくれる。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒(C)2011 PLAYING PRODUCTIONS, INC.