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『ウォーム・ボディーズ』

 
       

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作品データ
原題 “WARM BODIES”
制作年・国 2013年 アメリカ 
上映時間 1時間38分
原作 アイザック・マリオン『ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語』小学館文庫
監督 ジョナサン・レヴィン
出演 ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、ロブ・コードリー、デイヴ・フランコ、アナリー・ティプトン、ジョン・マルコヴィッチ
公開日、上映劇場 2013年9月21日(土)~新宿武蔵野館、シネクイント、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、TOHOシネマズ西宮OS、TOHOシネマズ二条他全国ロードショー

 

~恋するゾンビが人類を救う!?新感覚ラブストーリー誕生!~

 こんなに幸せ気分になれるゾンビ映画を見たのは初めてだ。ヴァンパイアではなくゾンビ男子と人間女子の恋物語。どう見ても、女の子が逃げるに決まっていると思いきや、シャイで優しいゾンビに心を開いていくのだから、ありふれたラブストーリーより数段ロマンチックで、恋に一生懸命なゾンビが愛おしくなってしまう。監督は、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットとタグを組んだ『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョナサン・レヴィン。キュートなゾンビ男子のキャラクターを最大限に活かし、ふっと笑えるツボが満載なのもうれしい。

WB-2.jpg 舞台は、ウイルスによって人類が滅亡の危機に瀕し、ゾンビから身を隠すためにシェルターの中での生活を余儀なくされている近未来。ゾンビのR(ニコラス・ホルト)は、食糧となる生きた人間を探して街に出かけるが、人間たちに銃撃され、乱闘になる。Rはショットガンを持った美少女ジュリー(テリーサ・パーマー)に一目で恋をし、他のゾンビの餌食にならないようジュリーをゾンビ居住区の自宅、ボーイング747に連れ帰る。話すことができないRは、様々な方法で怖がっているジュリーとコミュニケーションを取ろうと試み、ジュリーもRの持つ優しさに心を開き始める。しかしRはジュリーの彼氏の脳みそを食べ、殺した張本人だった。

WB-3.jpg ゾンビ同士の「あー」、「うー」という会話や、なぜか手が前方に伸び、猫背でスローな歩き方など、ゾンビの日常を改めて見ると、決して楽なものではない。そんなゾンビのRの心の声は、ゾンビあるあるのような可笑しさがある。R演じるニコラス・ホルトの恋に悩めるゾンビぶりがカワイくて、多少のグロテスクなシーンも片目をつむってスルーできるのだ。しゃべることができない代わりに、レコードをかけて心の声を代弁させてみたり、ジュリーがわざと無理難題を言うのに必死で応えようとする頑張りぶりは、すっかり草食化している人間男子にも見習ってほしいぐらいだ。

WB-4.jpg ジュリーが人間世界に戻ってからは、『ロミオとジュリエット』さながらの二人の逢瀬にドキドキハラハラ。恋することで人間の感覚を取り戻してきたRに、今度は人間からも、ゾンビの成れの果てであるガイコツからも狙われる試練が待ち受ける。恋するゾンビが身もってを示した「相手を愛おしいと思う」気持ちが起こす奇跡は必見!ゾンビ男子と人間女子の恋から、果ては人類の危機に立ち向かうまで、ラブストーリー、サバイバル、コメディー、SFと様々な要素がほどよくミックスされ、観終わった後やさしい気持ちになれるゾンビ映画。ちょっと素敵じゃないか。(江口 由美)


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