『ムービー43』
原題 | MOVIE43 |
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制作年・国 | 2013年 アメリカ (R15+) |
上映時間 | 1時間34分 |
監督 | ピーター・ファレリー(『メリーに首ったけ』『愛しのローズマリー』)、グリフィン・ダン、ブレット・ラトナー、スティーヴン・ブリル、エリザベス・バンクス、ジェームズ・ガン 他 |
出演 | ヒュー・ジャックマン/ケイト・ウィンスレット/リチャード・ギア/クロエ・グレース・モリッツ/ケイト・ボスワース/ハル・ベリー/ジェラルド・バトラー/ナオミ・ワッツ/エマ・ストーン/テレンス・ハワード/グレッグ・キニア/ユマ・サーマン/キーラン・カルキン/デニス・クェイド/セス・マクファーレン |
公開日、上映劇場 | 2013年8月10日(土)~ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸、他全国ロードショー |
~ハナからラズベリー賞狙い? 呆れた映画のまさかの公開!? ~
これほど安心してけなせる映画は初めてだ。アメリカ人もドン引きの“エクストリーム3G(下品、下劣、下衆(ゲス))”と銘打って宣伝された映画の試写を見に行って、そのあまりの下品さに、唖然、茫然、憮然の「3ZEN」となってしまった!
この映画は、売れない脚本家(デニス・クエイド)が、プロデューサー(グレッグ・キニア)に一所懸命作品を売り込もうとしているところから始まる。キャスティングもされたネタ話の一部を聞くや否や、あまりの酷さにプロデューサーは「NO!」 けんもほろろの態度だったが、それでも食い下がる執拗さを見せる脚本家。そんな彼が苦し紛れに次々と語るネタ話のひとつひとつが、豪華俳優によってショートフィルムとして実写化されているのだから、「3ZEN」になりながらも、見ていくしかない。
しかも、アカデミー賞受賞者を含め、注目の若手俳優など、それはそれは目を疑うようなスターばかり!よくこんな3Gの作品に出演したもんだ!? イメージなんて気にしないの?ショートフィルムなので拘束時間も短くて済むし、面白がって出演した向きもあるようだ。それにしても、呆れるやら、気持ち悪いやら、……酷い内容だが、そこはハリウッド! 技術的にはハイレベル。真剣におバカな映画を製作しているもんだから、大いなるムダ遣いとしか言いようがない。
最後に、プロデューサーが、妻を寝取った上司の大物プロデューサーへのあて付けに、『テッド』を大ヒットさせたセス・マクファーレンを押し退けて、このとんでもない映画を製作しちゃおう!と、破れかぶれになるところが面白い。確かに、まともな神経ではこんな映画は作れないだろうね。アメリカでは、今年1月の公開直後、映画史から消したいような扱いを受けたようで、今や都市伝説的存在になっているという。そう、『ムービー43』というタイトルの由来になったように、「怖いもの見たさ」から、親に隠れてコソコソとネットで”噂の『ムービー43』”を検索している子供たちの後姿が目に浮かぶようだ。念のために、「R15+」指定ですので、お子ちゃまは見られません!
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://movie43.asmik-ace.co.jp/
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