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『ハートの問題』《VIVA!イタリア①》

 
       

『ハートの問題』-550.jpg 『ハートの問題』《VIVA!イタリア①》 

 

       
作品データ
原題 QUESTIONE DI CUORE 
制作年・国 2009年 イタリア
上映時間 1時間44分
監督 フランチェスカ・アルキブージ
出演 アントニオ・アルバネーゼ(『二度目の結婚』『ローマでアモーレ』)、キム・ロッシ・スチュワート(『薔薇の名前』『愛のめぐりあい』『家の鍵』)
公開日、上映劇場 2013年8月10日(土)~8月23(金)テアトル梅田にて2週間限定上映、近日公開~神戸元町映画館、京都みなみ会館

 

 

http://www.vivaitaly-cinema.com/ ~みんなを幸せにしていたアンジェロが遺したもの~   

『ハートの問題』-2.jpg 脚本家のアルベルト(アントニオ・アルバネーゼ)は、恋人と高級アパートに住んではいるが、スランプ状態で収入も貯金もなく、彼女への情熱も冷めてしまっていた。そんな矢先、心筋梗塞で入院し手術する羽目に。一方、ICUでアルベルトの隣りのベッドに同じ心筋梗塞で運び込まれたアンジェロは、下町で自動車整備工場を経営し、母親と二人の子供と、3人目の子供を宿した妻がいて、いつも家族に囲まれていた。アルベルトはアンジェロの容態にかかわらず常に喋りかけては看護師に注意されていた。

 ズングリ体形のアルベルトとハンサムでスマートなアンジェロは、何もかもが対称的に見えたが、意外にも気が合った。アンジェロは、退院後も経済的に困っているアルベルトの面倒をみたり、家族ぐるみで友達付き合いをしたりしていた。だが、アンジェロの容態は悪くなる一方で、そのことを家族にもアルベルトにも隠して、あることを目論んでいた。ところが、少し強引な商売をしていたアンジェロの元に税務査察が入り、益々病状は悪化していった。

『ハートの問題』-3.jpg 余命を悟ったアンジェロが目論んだこととは?……アルベルトに自分の家族を託したかったのだろうが、父親としても、夫としても、息子としても、アンジェロに代わる者など居るはずがない。遺された家族にとっては、アンジェロこそ唯一無二の存在なのだ。心臓病(ハート)を患って知り合った二人が、束の間に育んだ友情(ハート)は、アルベルトにも再生の力を与えてくれた。

 脚本家アルベルトは、目にするもの全てを言葉にして喋り続けていた。人それぞれに物語があり、それらを興味深く聞き出すことに長けていたようだ。その方法をアンジェロの息子に伝授する姿は微笑ましく、人と人との縁に心(ハート)を感じさせる。悲しいことも、嬉しいことも、なぜそうなったか想像していくと、ひとつの物語が生まれるという、いかにも脚本家らしいアルベルトの見方に救われる思いがした。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.vivaitaly-cinema.com/