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『マジック・マイク』

 
       

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『マジック・マイク』

       
作品データ
原題 MAGIC MIKE 
制作年・国 2012年 アメリカ 
上映時間 1時間50分
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
出演 チャニング・テイタム(『ステップ・アップ』『君への誓い』『ホワイトハウス・ダウン』)、アレックス・ペティファー(『アイ・アム・ナンバー4』『TIME/タイム』)、マシュー・マコノヒー(『評決のとき』『リンカーン弁護士』)、コディ・ホーン、マット・ボマー
公開日、上映劇場 2013年8月3日(土)~シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマ、8月10日(土)~梅田ガーデンシネマ、シネマート心斎橋、9月7日(土)~TOHOシネマズ西宮 他順次公開

 

~映画で覗いてみよう!男性ストリップの世界を~

 

 今年日本で出演作の公開が相次ぐチャニング・テイタム。『G.I.ジョー2リベンジ』『ホワイトハウス・ダウン』に続き、スティーヴン・ソダーバーグ監督の2作『サイド・エフェクト』と『マジック・マイク』。全く対照的な作品だが、チャニング・テイタムの実体験を基にしている上に、製作にも関わっている『マジック・マイク』が一番彼の魅力を伝えているように思う。彼は18歳~19歳の時、8か月間ストリッパーをしていたそうで、そのことを話す度に誰もが強い関心を示したという。

 その中でもS・ソダーバーグ監督は、「最高のアイデアだと思った。セクシーで、愉快で、クレイジーだ。多くの人が経験したことのない環境に入り込めるんだ」。ということで、滅多に見られないイケメンによるショーアップされた男性ストリップの世界を堪能することができる。マドンナやジャスティン・ビーバーなど超ビッグ・アーティストの振付を担当しているアリソン・フォークによる刺激的なダンスシーンには目が釘付けになる。

【STORY】
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いくつもの仕事を掛け持ちしながら自称・起業家と名乗るマイク(チャニング・テイタム)は、夜はダラス(マシュー・マコノヒー)のクラブで、人気No.1のストリッパーとしてステージに立っていた。女の子にはモテモテだが、信頼できる女性はいない。30歳になる彼は、いずれはオリジナル家具を作って成功したいという夢を持っていた。そんな時、建築現場で19歳のアダム(アレックス・ペティファー)と出会い、彼をクラブに連れて行く。アダムは、初めて見る男性ストリップのステージに驚くが、時給10ドルの建築現場の仕事に比べ、一晩で100~200ドルも稼げる世界を知って夢中になる。

 最初アダムの姉ブルック(コディ・ホーン)は心配するが、マイクを信頼して弟を任せる。だが、ブルックの心配をよそに、若いアダムはマイクの制止も聞かず暴走してしまい、さらに、「いずれは共同経営者にする」というダラスにも裏切られ、マイクは追い詰められていく。


magic-mike-5.jpg【演出の特徴】
 
様々なコスチュームとパフォーマンスで女性客を喜ばせるストリップ。セクシーさをアピールするため、Tバック1枚で際どいダンスを披露する。逞しい肉体の乱舞が女性客の歓喜を引出し、ひとときの楽しみに陶酔させる。狂ったお金の価値観やセックスだけの関係と、刹那的な生き方しかない世界で生きていくのか……。ソダーバーグ監督は、19歳のアダムと30歳のマイクという、今のチャニング・テイタムがかつての自分を客観的に見ているように、若い時の一時的な狂乱に身を持ち崩すか、まともな生活に戻るか、「人生の選択」とい分岐点を、巧みな構成と演出力で表現している。

【キャストについて】
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特に、アダムの姉ブルックの存在が効いている。お金や華やかな世界に引きずられることなく、自分の居場所をしっかりと持った唯一まともな生き方をしている存在だ。ブルックを演じたコディ・ホーンの、無愛想だが弟を心配するちょっとふくれた表情が可愛い。野暮ったい少年から野心的な青年へと変貌するアダムを演じたアレックス・ペティファーのハンサムぶりは実にゴージャス!今後が楽しみ♪

 チャニング・テイタムは、『ステップ・アップ』(‘06)でブレイクして以来、アクションでもラブストーリーでも彼のマッチョな体から繰り出される俊敏な動きと肉体美には魅了されてきた。2012年のPeaple誌が選ぶ“最もセクシーな男性No.1”に輝いたが、彼の魅力はそれだけではない。丹精な顔立ちと誠実そうな眼差しが女性の心を捉えて離さないのだ。

magic-mike-4.jpg 当初、クラブのオーナーを演じたマシュー・マコノヒーのストリップシーンはなかったそうだ。それを、「踊らない訳にはいかない」と、43歳にして見事な裸体を披露している。前作『ペーパーボーイ 真夏の引力』でも、全裸で両手両足を後ろ手で括られていた。ひょっとして、若手に負けてないぞ!と、露出しては、マッチョなアクション系作品の出演を狙ってる!? いずれにせよ、本作でのマシューの存在は大きなスパイスとなっていることは確か。

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://magic-mike.jp/

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