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『後宮の秘密』

 
       

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作品データ
原題 THE CONCUBINE
制作年・国 2012年 韓国
上映時間 2時間2分
監督 キム・デスン
出演 チョ・ヨジョン、キム・ドンウク、キム・ミンジュン、パク・ジヨン、チョ・ウンジ、イ・ギョンヨン、パク・チョルミン
公開日、上映劇場 2013年6月22日(土)~シネマート心斎橋でロードショー。


~韓国映画のセクシー時代劇に魅せられて…~

 韓国映画の時代劇といえば、韓流テレビドラマを入れると多種多彩に出てきた。これまでは、アクションであったり、宮廷劇における恋愛ものであったりした。しかし、ここに表面上は時代劇を装いながらも、ある種際どい映画を作ってきた。18歳未満は見られないという映画だ。かつての日活ロマンポルノ映画や、ハードコア映画並みの規制である。

 ちなみに、青少年によろしくない残虐なシーンがあった「告白」(2010年)も、「R-18」(18歳未満入場不可)指定映画となった。R指定の判断にはいろいろあるが、本作は性描写のところでひっかかったようである。バイオレンスなシークエンスではない。いわゆる、セックス・シーンが青少年には好ましくないと、映倫から捉えられた映画なのである。

koukyu-2.jpg セックス描写の激しい映画といえば、実は無数に近いくらいいっぱいある。そこには名作も結構あって(日活ロマンポルノに多い)、あなどれないのだが、では、本作もそういう名作ラインに、並ぶような作品なのだろうか。見てみるに、時代劇部は権力争いなどの定番ラインで、それなりにやりすごしている。しかし、本作のキム・デスン監督の意図は、映画テーマとして「欲望」を挙げている。欲望と一言で言っても、この映画で期するのは、もっと本能的なとこに近い欲望であろうか。

 例えば、男にしてみれば「飲む・打つ・買う」な欲望が言われたりする。女性はどのような欲望があるのか。人によってさまざまだろうが、本作の男の欲望・女の欲望具合はどうだろうか。男側の欲望については、ものすごく心身共に感情移入できるような形で描かれている。女性はどう思うのか分からないが、その作りは、本番も厭わないハードコア映画のノリに似ていると思った。

koukyu-3.jpg 韓流テレビドラマで本国の人気を得た、アイドル的女優のチョ・ヨジョンが、数度にわたるセックス・シーンを披露する。特にクライマックスとなる濡れ場シーンでは、余りにも寒々と深くて暗い、衝撃的なシーンがやってくるのである。韓国のヒロインもの時代劇としては、映画化もテレビドラマ化もされた「ファン・ジニ」を遥かに超えてエロティックだ。

 主演のチョ・ヨジョンは、イ・ヨンエのような容姿や立ち居振る舞いがあるけども、こういう体当たり級の演技をやられてしまうと、もはや比較することも正常ラインではできないのだ。いわゆる、H(エッチ)な映画だとしても、ラストのミステリアスなサプライズが、それだけでは済ませてはくれないだろう。派手な弦楽オーケストラも心をそそるし…。うっとりできるところもあるかもしれない。ある意味で、韓国映画の意外性が垣間見える1本だ。 (宮城正樹)

公式サイト⇒http://www.koukyu-movie.com/

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